プラット・アンド・ホイットニー R-1830

R-1830（ツインワスプエンジン）

R-1830、通称ツインワスプエンジンは、アメリカ合衆国のプラット・アンド・ホイットニーが1930年代から1940年代に開発した航空用エンジンです。このエンジンは空冷の二重星型14気筒設計で、広範囲な航空機に搭載され、その性能から多くの支持を得ました。

基本概要

R-1830は、特にその高出力と信頼性により、当時の航空機市場において重要な役割を果たしました。このエンジンは、主に軍用機や民間航空機の両方に使用され、さまざまな型式が存在します。開発社のプラット・アンド・ホイットニーは、このエンジンによって航空エンジン業界での地位を確立しました。

主要な型式と出力

R-1830シリーズには多くの派生型があり、それぞれ異なる出力を持っています。例えば、以下のような型式があります：

• - R-1830-1: 800 hp (597 kW)
• - R-1830-17: 1,200 hp (895 kW)
• - R-1830-94: 1,350 hp (1,007 kW)

これらの型式により、エンジンの用途に応じたパフォーマンスが提供されています。特に、R-1830-86やR-1830-S1C-Gモデルは高出力を誇り、さまざまな航空機においてその性能が発揮されました。

技術的特性

R-1830の特長として、シリンダーの直径は5.5インチ（約139.7mm）で、ストロークも同じく5.5インチです。このエンジンの排気量は30リットルに達し、全長は1,713mm、直径1,224mmに設計されています。重量は708kgであり、このベース設計により、多くの航空機に収容可能です。

エンジンは、遠心式スーパーチャージャーや空冷システムを使用して十分な性能を発揮します。このスーパーチャージャーは、二段二速式で設計されており、高度に応じた出力を確保します。冷却方式は空冷で、オクタンガソリンを燃料として使用します。

使用機種

R-1830エンジンは、多種多様な航空機に搭載されています。具体的には、B-24やC-47、DC-3、さらには零式艦上戦闘機の復元機などがその例です。このように多くの航空機に使用されることで、実績を重ねてきました。

結論

R-1830（ツインワスプエンジン）は、1930年代から1940年代において顕著な実績を持つ航空用エンジンであり、その影響は現代にも及んでいます。多くの派生型を持つこのエンジンは、優れた出力性能と信頼性を兼ね備え、数々の航空機で使用され続けています。今後も航空機エンジンの歴史の中で重要な位置を占めることでしょう。

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