プランタン (フランスの百貨店)

プランタン百貨店：パリの老舗が語る、150年以上の歴史と未来

プランタンは、フランス・パリに本店を置く、歴史と伝統を誇る老舗百貨店です。1865年、ジュール・ジャリュゾによって創業されました。創業当時、本店が建設された場所は開発途上の地区でしたが、サンラザール駅の新設という好条件を活かし、パリと地方を結ぶ交通の要衝として発展していく将来性をいち早く見抜いたジャリュゾの慧眼が光ります。

建築家ポール・セディーユによって設計されたプランタン本店は、アール・ヌーヴォー様式の丸い屋根が特徴的な近代建築として知られています。その美しい建物と象徴的な屋根は、1975年には歴史的建造物として登録され、パリの街並みを彩るランドマーク的存在として人々に親しまれています。

プランタンは、フランス国内にとどまらず、かつてはアンドラ、サウジアラビア、アメリカ合衆国、日本、中国、韓国など世界各国へ進出していました。日本においては、ダイエーとの提携による展開や、プランタン銀座として知られる店舗が長年にわたり営業していましたが、現在はフランス国内に拠点を絞って営業しています。しかし、2019年には国外再進出を発表し、2021年にはカタールとイタリアへの出店を計画するなど、世界への再挑戦を積極的に進めています。今後10年間で5～10店舗の海外展開を目指しているとのことです。

プランタンの歴史において重要な出来事としては、1991年のピノー・プランタン・ルドゥート（現在のケリング）による買収、そして2006年のREEFFとBorlettiグループへの売却があります。これらの出来事は、プランタンの経営や戦略に大きな影響を与え、現在の姿へと導いたと言えるでしょう。また、2008年には本店においてパリ爆弾脅迫事件が発生するという不幸な出来事もありました。

プランタンは、ギャラリー・ラファイエットと同様にオースマン大通りに本店を構える、パリを代表する百貨店の一つです。これらの百貨店は、パリのショッピングシーンを象徴する存在であり、多くの観光客や地元住民に親しまれています。

日本においては、ダイエーとの合弁会社「オ・プランタン・ジャポン」を設立した過去や、長年にわたり「プランタン」の名称使用契約を結んでいた関係があります。特に、プランタン銀座は、多くの日本人に親しまれ、日本の百貨店業界に大きな影響を与えた存在と言えるでしょう。プランタン銀座は2016年12月末で営業を終了し、その後はマロニエゲートへと改称されました。

プランタンは、創業から現在まで、時代の変化に対応しながらも、その伝統と歴史を大切に守り続けてきました。今後も、新たな挑戦を続けながら、世界中の人々に愛される百貨店であり続けることでしょう。その未来の展開に、私たちは期待を寄せずにいられません。

パリを訪れる際には、ぜひプランタン本店に立ち寄り、その歴史と伝統、そして洗練された空間を体感してみてください。きっと、忘れられない思い出となることでしょう。

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