プリズム (バンド)

プリズム（PRISM）

プリズムは、1975年に和田アキラ（ギター）と渡辺建（ベース）を中心に結成されたフュージョンバンドです。彼らは1977年に自身の名を冠したアルバム『PRISM』でデビューし、その後も数々のアルバムを発表しています。最新作は2017年にリリースされた『What You See』です。

来歴

プリズムの原点は、1970年代中盤にさかのぼります。ギタリストの和田アキラがプロを目指してブッキング活動をしていた際、様々なライブ・セッションが行われ、活動に参加するメンバーが変わりながらも、東京都内のアマチュアロックのコミュニティで知られた存在となっていました。久米大作や鈴木リカ徹、そしてすでにセミプロとして活動していた渡辺建も和田のスカウトにより、そのメンバーとして参加しました。

デビュー前のプリズムは、ロック、ブルース、ジャズなどのジャンルに影響を受けたスタイルが特徴でした。特に、サンタナやチック・コリアといったアーティストの音楽が大きなインスピレーションを与えました。1975年には、影響を受けたロックギタリスト、ジェフ・ベックの作品を聴く中で、彼らの音楽スタイルが確立されていきました。

1976年に行われたデビューアルバムのレコーディングには、四人囃子を脱退した森園勝敏が参加したことで、メンバーが一層強化されました。こうして、1977年に彼らのデビューアルバム『PRISM』がポリドール・レコードからリリースされ、活動が本格化します。このアルバムでは、オリジナル曲を演奏することが多くなり、高度な演奏技術と多様な音楽スタイルが高く評価されました。

デビュー前から注目を集めていたプリズムは、エリック・クラプトンの日本公演での前座を務めたことで、一気に人気が高まりました。彼らの初版8,000枚のアルバムは発売日に1時間で完売するなど、その名は広まりました。

活動を続ける中で、1979年にはメンバーの脱退が続き、次第にバンドの活動は鈍化します。これにより新たな展開を迫られた和田と渡辺は、セッション活動で知り合った佐山雅弘や青山純を新メンバーとして迎えることになります。そして彼らは1980年から新たな4ピースバンドとして再始動します。

1984年にはメンバーの脱退やレコード会社との契約満了により、活動が一時的に休止状態に陥りました。しかし、和田と渡辺は再び活動を開始し、サポートメンバーとなる深町純の助力を得て、1985年からレコード制作とライブ活動を再開しました。その後、1990年代にはギターシンセやベースシンセを取り入れた新しいスタイルで、環境をテーマにしたアルバムを連続リリースし、ファンから支持を集めました。

2000年には渡辺建が脱退し、岡田治郎が加入。その後の活動でも、元メンバーがゲストに参加することが多く、バンドは過去の楽曲を演奏する機会が増えました。2010年代には、キーボードの正式メンバーとして渡部チェルが加わるなど、新たな音楽的展開を見せています。

しかし、2018年の末、和田が病気で療養を始め、その後2021年に逝去しました。2022年には和田の追悼コンサートが開催され、多くのファンや元メンバーが集まりました。残されたメンバーは、横浜を拠点にセッション活動を通じてプリズムの楽曲を演奏し続けています。

メンバーの変遷とディスコグラフィ

プリズムはその活動を通じてメンバーが何度も入れ替わり、その都度新しいスタイルや音楽を提供し続けてきました。デビュー以降、78年のセカンドアルバムからのリリースや毎年のライブ活動により、フュージョン界でものすごい存在感を示しました。

また、代表的なアルバムには以下の作品があります:

• - PRISM（1977）
• - MOTHER EARTH（1990）
• - MODE:ODD（2013）
• - Celebrate（2017）

長年にわたって進化を続けるプリズムは、日本の音楽シーンにおいて独自の足跡を残しています。

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