プリマックス

プリマックス

『プリマックス』は、柴田ヨクサルが原作、蒼木雅彦が作画を手がけた日本の漫画作品です。もともとは読切版として発表されたものが再構成され、『週刊ヤングジャンプ』にて2015年から2017年まで連載されました。各話のサブタイトルには必ず「カワイイ」というキーワードが組み込まれているのが特徴です。原作者である柴田ヨクサルにとっては、初の原作担当作品となります。

あらすじ

物語は、高校生の内森モン太が、ある願いを叶えるため、ツチノコを捕獲して賞金1億円を手に入れるところから始まります。彼はその資金を使い、幼馴染の岬ツバメと篠原竹雄に「女装ダンスグループを組み、学園祭で一緒に踊ってほしい」と依頼します。最初は戸惑うツバメと竹雄でしたが、モン太の熱意と、女装して踊ることの楽しさに次第に魅了されていきます。学園祭でのステージを成功させた3人は、さらなる高みを目指し、突き進んでいくことになります。

主要な登場人物

内森モン太：本作の主人公。小柄で地味な眼鏡男子ですが、目標のためには大胆な行動も厭わない強い意志の持ち主。体操選手だったため、高い身体能力と優れた記憶力を持っています。女装すると、周囲が驚くほどの美少女に変身し、独創的なダンスと歌声で人々を魅了します。「カワイイ」を絶対的な価値基準としており、そのためには常識にとらわれない行動もします。

岬ツバメ：モン太の幼馴染。茶髪のミディアムヘアーで、ややチャラい外見の持ち主。レスリング部に所属しており、喧嘩も強いです。ギター演奏が得意ですが、興奮すると乱闘騒ぎを起こすため、普段は封印しています。女装をすると、妹とそっくりの美少女に変身します。

篠原竹雄：モン太とツバメの幼馴染。長身痩躯のクールなイケメンで、女子に人気があります。冷静で逆境に強く、3人の中では精神的な支柱となっています。柔道部に所属しつつ、アルバイトもしています。女装をすると、クールビューティーな美女に変身し、その姿を気に入っています。

時置銀河子（ワルコ）：モン太たちの同級生。おかっぱ頭で、目つきが悪く、金銭にがめつい性格です。学園祭でモン太たちの女装を目撃し、その人気を利用して金儲けを企みます。後に、3人のマネージャー兼プロデューサーを自称するようになります。

明智穂都：小学生のような外見の女子生徒。推理小説好きで、探偵の真似事をしています。男嫌いで“カワイイ女の子”が大好きであり、文化祭で見た女装姿のモン太たちに一目惚れをします。

二上三雲：ツバメの先輩で、レスリング部の主将。長身の美形で、ホストのアルバイトもしています。女好きで、特に太めの女性が好みです。最初は女装を嫌っていましたが、モン太たちの“カワイイ”を追求する姿勢に心を打たれ、自身も女装をするようになります。

橋野勝利：レスリング部に新たに加わった転入生。インターハイで3位になるほどの腕前を持っています。ツバメに敗れたことでショックを受けますが、女装姿のモン太たちに励まされ元気を取り戻します。

岡：柔道部顧問の男性教師。竹雄の才能を認めています。

アイサキアオ：ネットアイドル。モン太に『カワイイ勝負』を挑み、良きライバル関係となります。

松野月子：人気アイドルグループ『クレッセント・ムーン』のメンバー。ツバメの小学校時代の同級生で、彼に告白をします。

大豊光子丸：ニーサン先輩の幼馴染。力士のような体格をしています。

少女モンスター：ネットアイドルの三人組。

蒲池奈保子：かつてアイドルだった中年女性。

内森キエ子：モン太の母親。スーツアクターをしています。

岬ツグミ：ツバメの妹。竹雄に恋心を抱いています。

竹雄の父：ギャンブラー。

ミツオ、マサオ、ハルコ、サクラ：竹雄の弟妹たち。

時置空子：アイドルグループ『お嬢』のリーダー。ワルコの姉。

作品の特徴

『プリマックス』は、個性的なキャラクターたちが織りなす、笑いあり、感動ありの青春物語です。女装という要素を通じて、自己表現や友情、そして「カワイイ」とは何かを問いかける作品となっています。

書誌情報

* 柴田ヨクサル（作）・蒼木雅彦（画） 『プリマックス』 集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、全10巻

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