プリミエラ

プリミエラ：イタリアの伝統的なカードゲーム

プリミエラ（イタリア語: Primiera）は、イタリアの伝統的なカードゲームであり、トランプを使用してプレイされます。このゲームでは各プレイヤーが4枚の手札を持ち、その中の強い役を競い合い、勝者はチップを獲得します。

歴史

プリミエラの起源は16世紀に遡り、フランチェスコ・ベルニの書物やカルダーノの文献からルールの詳細の一部が分かります。このゲームは、時代を超えてルールがほとんど変更されておらず、古き良き伝統を継承しています。イギリスにも伝わり、そこで「プリメーロ（Primero）」として知られ、シェイクスピアの作品にも登場します。現代のイギリスでは、ブラグと呼ばれる類似のゲームが存在し、これはプリメーロから派生したものと考えられています。また、プリミエラはポーカーの起源の一つとも言われていますが、実際にはポーカーとは異なるゲームスタイルを持っています。

ルール

プリミエラは、2人以上でプレイするゲームです。使用されるのはラテンタイプの40枚のトランプで、スートは棍棒、剣、カップ、貨幣から成り、それぞれに数札と絵札が含まれます。各カードにはランクに応じた点数がありますが、役に関連するカードの点数のみが重要となります。

役の種類

プリミエラには、以下の4つの役が存在します。役の強さは低い方から順に並べられています。

1. プリミエラ（primiera） - 4枚のカードがすべて異なるスートからなる。
2. 55（supremusとも呼ばれる） - 同じスートの7、6、Aが含まれ、残りの1枚は何でもよい。
3. フルクスス（fluxus） - すべてのカードが同じスートからなる。
4. コルス（chorus） - フォーカード。

これらの役に該当しない場合、最も高い点数を持つスートの合計がその手の点数になります。この場合はヌメルス（numerus）またはプント（punto）と称され、プリミエラには劣る価値を持ちます。

ゲームの進行

ゲームが始まると、各プレイヤーはあらかじめ決められた額のチップを置きます。その後、ディーラーは全員に4枚の手札を配布します。この時点で、誰かがプリミエラ以上の役を揃えていたら、直ちに手札を公開し、最強の手を持つプレイヤーがチップを獲得します。もし同点の場合は引き分けになり、チップはそのままとなります。

役がない場合は、プレイヤーは手札の一部を山札と交換します。再度チップを賭けることもあり、最終的に手札を見せて最も強い役を持つプレイヤーが勝者となります。

古いルールとの違い

歴史的な記述によれば、ベルニやカルダーノの時代には、すべてのカードが同じランクであった場合、それは強い役としてフルッソよりも優位とされていました。現在のルールとの違いを知ることは、ゲームの進化を理解する手助けとなります。

参考文献

• - Parlett, David (1992, 2004). The A-Z of Card Games. Oxford University Press.

関連項目

• - スコパ：花札に似たゲームで、プリミエラの方式で点数を計算する。
• - ポーカー

このように、プリミエラはシンプルながらも奥深い魅力を持つゲームであり、長い歴史がその地位を支えています。

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