プリンスホテル硬式野球部

プリンスホテル硬式野球部について

プリンスホテル硬式野球部は、1979年に東京都に本拠を置く企業チームとして設立され、日本野球界において重要な役割を果たしました。活動を行っていたのは2000年までで、同チームは日本社会人野球協会（現・日本野球連盟）に加盟していました。

チームの設立は、西武グループに属するプリンスホテルによるもので、このホテル・レジャー業界の企業が運営の主体となり、チームカラーは早稲田大学のえんじ色を採用していました。ユニフォームの背番号やネームのデザインは西武ライオンズにちなんでおり、ビジター用ユニフォームはえんじ色のものが使用されました。こうしたことから、プリンスホテル硬式野球部は「ライオンズの三軍」と洖われるほど、西武ライオンズと密接な関係を持っていました。

チームは設立当初から多くの有望選手を輩出し、特に1980年のドラフトでは、選手たちに対してプロ野球と同等以上の支度金を提示することで注目を集めました。この囲い込みは、日本ハムや阪急から問題視される事態となり、プロアマ間の秩序を守るよう求められる事もありました。その後、具体例としてドラフトで指名された川村一明や高山郁夫は、後に西武ライオンズに入団することになります。

1989年には、第60回都市対抗野球大会で見事に優勝を果たし、チームの最高成績を記録しました。その後も日本選手権において準優勝を果たし、都市対抗野球大会には計14回出場し、11年連続で出場を果たしました。しかし、2000年に経済不況による影響を受け、チームはシーズン終了をもって解散を発表しました。同年は都市対抗野球には出場できなかったものの、秋の日本選手権に出場しましたが、2回戦でNTT西日本に敗れ、活動を終えることとなりました。

解散後、2004年にはかつての練習グラウンドが拓殖大学第一高等学校に移転するなど、チームの痕跡が残りました。プリンスホテル硬式野球部は多くのOBを持ち、彼らはその後プロ野球選手として成功を収めることとなり、野球界において重要な存在としての地位を確立しました。特に石毛宏典や堀場秀孝などの選手は、その後のプロ野球界で重要な役割を果たしました。

このように、プリンスホテル硬式野球部は日本の社会人野球界において、多くの先駆者を輩出したチームであり、その息の長い活動があったからこそ、今日の日本プロ野球界の基盤が築かれることとなりました。

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