プレイス・イン・ザ・ハート

映画『プレイス・イン・ザ・ハート』の概要

『プレイス・イン・ザ・ハート』は、1984年に公開されたアメリカ映画で、ロバート・ベントンが脚本・監督を手掛けています。舞台は1935年のテキサス州ワクサハチー。専業主婦のエドナ・スポルディングが夫の突然の死という困難に直面し、周囲の助けを借りながら自立を果たしていく姿を描いています。主演のサリー・フィールドの演技は高く評価され、第57回アカデミー賞において主演女優賞を受賞。そのほか、ロバート・ベントンは脚本賞を受賞しました。

ストーリーの概要

映画は、大恐慌の最中の小さな町で、エドナの穏やかな生活から始まります。彼女は夫ロイスと二人の子供とともに平和に暮らしていましたが、ある朝、ロイスが警察官としての任務で危険な状況に巻き込まれ、命を落とします。この衝撃的な出来事により、エドナは厳しい現実に直面します。彼女は残された子供たちを養う方法が分からず、不安を抱え始めます。

ロイスの死後、銀行員デンビーがエドナの元を訪れ、彼女の家庭の財政状況を告げます。ロイスが生前に銀行からの借入金を抱えていたことが明らかになり、未返済の金額が3681ドルも残っていることが判明。エドナに選択肢を提示しますが、彼女は家族を手放すことを拒みます。

その後、エドナは自分の経済的自立を目指し、彼女の姉マーガレットに美容師としての職を頼みますが、人手不足のなかで雇う余裕はありません。失意の中、彼女はモーゼスという流れ者の男性と出会います。彼が綿花栽培の経験が豊富であることから、エドナは彼を雇って綿花栽培を始めることにします。

綿花栽培への挑戦

エドナは30エーカーの畑を持っており、モーゼスと共にこの土地で綿花を育てることを決意します。しかし、経済的なプレッシャーが彼女にのしかかります。エドナは、町で一番早く綿を収穫するという目標を掲げ、そのために周囲の人々にも協力を呼びかけます。モーゼスは彼女のサポートを受けながら、仲間を集め、尽力します。

収穫の日、エドナは厳しい労働を重ね、ついに綿花の収穫に成功します。賞金100ドルを得て、彼女は経済的な一歩を踏み出します。しかし、この成功は彼女に代わって過酷な試練をもたらします。モーゼスが差別的な暴力に直面し、エドナは彼を守るために奮い立たなければなりません。

結末とテーマ

最終的にエドナはモーゼスを見送りますが、その際に彼女は彼に対して、「肌の色に関係なく、あなたの苦労は誰よりも大切なものだ」というメッセージを伝えます。この映画は、喪失や苦難を経て自立し成長していく女性の姿を描いており、勇気や人間の絆の大切さを教えてくれます。『プレイス・イン・ザ・ハート』は、ただの感動作品にとどまらず、社会的なテーマも扱った深い内容を持った作品です。

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