プログレッシブ・フィールド

プログレッシブ・フィールド

プログレッシブ・フィールド（Progressive Field）は、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランドにある野球場で、MLBのクリーブランド・ガーディアンズの本拠地です。かつてはジェイコブス・フィールドと呼ばれており、1994年に開場しました。

この球場は、クリーブランドの中心市街地の再開発計画の一環として誕生しました。1990年代初頭、観光客や地元住民の流出が問題となっていたクリーブランドでは、ダウンタウンを活性化するためのプロジェクトが進められていました。そこで整備されたスポーツ複合施設、ゲートウェイ・スポーツコンプレックスには、クリーブランド・キャバリアーズの本拠地であるガンド・アリーナも含まれており、地域の観光名所としての役割も果たしています。

球場の設計と環境

プログレッシブ・フィールドのデザインは、クリーブランドの工業都市としての特色を反映しており、白い壁と鉄骨を組み合わせた外観が印象的です。また、照明灯の形状は煙突を彷彿とさせるユニークなスタイルを持っています。これにより、他の新古典主義に基づいた設計の球場とは異なり、地域の文化や歴史を感じさせる要素が強調されています。

フィールドの特徴としては、全体的に投手を優位にするパークファクターがあります。ただし、温暖な気候に伴って風が吹くことが多く、特に右方向に長打が増える傾向があります。また、土は近隣のオハイオ川から採取されており、球場の特徴をより一層際立たせています。

羽虫とカモメの影響

プログレッシブ・フィールドは、エリー湖の南岸近くに位置しているため、多くの羽虫やカモメが周辺に生息しています。特に2007年のア・リーグディビジョンシリーズでは兎に角羽虫が大量発生し、試合中に両チームのベンチには殺虫スプレーが置かれる事態に至りました。また、カモメが球場に飛来することも多く、時には花火を使って迷惑を掛けないようにする対策が用意されていて、特筆すべきは2009年の試合でのカモメとの偶然の接触によって試合が決まったエピソードです。

応援文化

メジャーリーグでは基本的に鳴り物の応援は禁止されていますが、クリーブランド・ガーディアンズの試合では、特別に太鼓を持って応援するファン、ジョン・アダムスが有名です。彼の太鼓の音は、クリーブランドのホーム試合に欠かせない要素となっており、彼の来場回数が3000回に達した際には記念プレートが設置されました。

名称の由来

球場名の由来は、当初のオーナーであるジェイコブス兄弟の名に由来しています。最初は「インディアンス・パーク」が計画されていましたが、実際にはジェイコブス・フィールドと名付けられました。2008年にはプログレッシブ社と命名権契約を結び、現名に変更されています。

主要な出来事

プログレッシブ・フィールドでは、数々の重要な試合が行われてきました。1994年の開場初日にはクリントン大統領が始球式を行ったほか、1995年から2001年にかけては455試合連続で入場券が完売するという記録も残されています。また、オールスターゲームが1997年と2019年に開催されたこともあり、今後も魅力溢れる試合が展開されることでしょう。名勝負を誇るこの球場、クリーブランド・ガーディアンズのホームフィールドとしての歴史は、これからも増えていくことが期待されます。

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