プロゲスチン

プロゲスチンの種類と特徴

プロゲスチンとは、天然の黄体ホルモンであるプロゲステロンの働きを人工的に再現した物質です。経口避妊薬をはじめとする様々な医薬品に用いられており、その種類は多岐に渡ります。

プロゲスチンの分類は、主に化学構造と開発年代の2つの視点から行われます。化学構造による分類では、エストラン系、ゴナン系、新ゴナン系といった種類があり、それぞれに特徴的な作用を示します。また、開発年代による分類では、第一世代から第四世代までが挙げられ、世代が進むにつれて、プロゲステロン作用の強まりやアンドロゲン作用の弱まりといった傾向が見られます。

化学構造による分類

プロゲスチンは、その化学構造の違いによって、大きく以下の種類に分類されます。

エストラン系（第一世代）: 代表的なものにノルエチステロンやノルエチノドレルがあります。これらの物質は、プロゲステロン作用に加え、アンドロゲン作用とエストロゲン作用も併せ持ちます。アンドロゲン作用とは男性ホルモン様の作用、エストロゲン作用とは女性ホルモン様の作用を指します。

ゴナン系（第二世代）: 代表的なものにノルゲストレルやレボノルゲストレルがあります。エストラン系と比較してプロゲステロン作用が強化されましたが、同時にアンドロゲン作用も強くなっています。

新ゴナン系（第三世代）: 代表的なものにデソゲストレル、ノルゲスチマート、ゲストデンがあります。ゴナン系に比べて、プロゲステロン作用がさらに強まり、一方でアンドロゲン作用は相対的に弱くなりました。

新しいプロゲスチン（第四世代）: 代表的なものにジエノゲストやドロスピレノンがあります。これらはアンドロゲン作用がほとんどありません。

開発年代による分類

プロゲスチンは、開発年代によっても分類されることがあります。第一世代から第四世代まで存在し、各世代でプロゲステロン作用とアンドロゲン作用のバランスが変化しています。第一世代はアンドロゲン作用が強く、世代が進むにつれてアンドロゲン作用が弱まり、プロゲステロン作用が強まる傾向が見られます。第四世代では、アンドロゲン作用がほとんどないものが開発されています。

まとめ

プロゲスチンは、その化学構造と開発年代によって様々な種類があり、それぞれに異なる作用の強さを持っています。経口避妊薬などの医薬品に使用されるプロゲスチンの選択においては、これらの特性を考慮することが重要となります。近年では、アンドロゲン作用が弱く、プロゲステロン作用が強いプロゲスチンが好まれる傾向にあります。それぞれのプロゲスチンが持つ特性を理解することで、より適切な医薬品の選択に繋がるでしょう。今後の研究開発により、さらに改良されたプロゲスチンが登場することが期待されます。

もう一度検索