プロット・ハウンド

プロット・ハウンド（Plott Hound）

プロット・ハウンドは、アメリカ合衆国由来のツリーイング・ドッグ犬種で、その名前は、創設者のジョナサン・プロット氏から取られています。この犬種は、特に狩猟能力が高く、主に木に登る獲物を追い詰めるために育てられました。

歴史

プロット・ハウンドの歴史は1750年代に遡ります。ドイツからアメリカに移住したジョナサン・プロットが、狩猟用に育てられた犬を連れてきました。この犬種の正確な起源は不明ですが、ブラッドハウンドやその他のセントハウンド種と掛け合わせて作られたとされています。これらの犬は、アメリカでの狩猟生活に適応しつつ、純血としての特性を維持し続けました。

プロット・ハウンドは、アメリカのおおきな哺乳類やアライグマ、アメリカクロクマを追い詰めるための役割を果たし、主人が獲物を仕留めるための重要なパートナーとなりました。プロット家は純血を守るため、血統の管理に非常に力を入れ、乱繁殖を防ぐよう取り組んでいました。この管理によって、プロット・ハウンドは30年以上にわたり、健全な血統を保ち続けました。

19世紀初頭、プロット・ハウンドに初めての異種交配が行われました。プロット家の当主がレパード・スポテッド・ベア・ドッグのオーナーと親交を深めた結果、犬が交配され、新たなハーフ犬が誕生しました。このハーフ犬の持つ高いツリーイング能力はすぐに注目を浴び、プロット・ハウンドとの交配が決定されました。この試みは成功し、狩猟能力がさらに向上しました。1946年には、プロット・ハウンドはアメリカのユナイテッドケネルクラブに正式に認定され、その実力を広く知らしめました。現在、アメリカ国内では猟犬としての人気が高いものの、ペットやショードッグとしては少数派で、海外ではほとんど飼育されていません。

特徴

プロット・ハウンドは、セントハウンドタイプの犬で、筋肉質で引き締まった体形をしています。背が高く、短いマズルと強力な顎を持ち、耳は垂れ、尾は先細りの垂れ尾です。コートは硬いスムースコートで、代表的な毛色はブラック・ブリンドルです。この犬の体高は約47cmから63cm、体重は20kgから35kgの大型犬とされています。

性格は非常に忠実で冷静、そして狩猟本能が強く、獲物に対して粘り強く立ち向かう勇敢さがあります。しかし、一般家庭での飼育は難しいと言われています。彼らは獲物を追うことに喜びを見出し、その活動がない環境では鬱屈した気持ちになることが多いです。

運動量が非常に多く、起伏のある野山を1時間以上走り回ることができますが、心疾患や関節の疾患にかかりやすい傾向があります。このため、適切な運動と健康管理が必要です。プロット・ハウンドは、その特性から特に狩猟を重視する人々に愛され、信頼されている犬種です。

もう一度検索