プロ空手協会

プロ空手協会の概要

プロ空手協会（Professional Karate Association, PKA）は、アメリカ合衆国で誕生した空手およびキックボクシングの団体であり、1974年に設立されました。この組織は、アメリカでの空手競技のスタイルに新たな風を吹き込むことを目的として立ち上げられ、特にボクシンググローブを用いたフルコンタクト形式の試合を導入したことで知られています。これは、従来の寸止めによるポイント制の試合とは異なる、よりダイレクトで刺激的な競技スタイルを特徴としています。

創設の背景

プロ空手協会の設立には、ジョー・ルイスやトム・タネンバーンといった人物たちが重要な役割を果たしました。特に、ジョー・ルイスが1970年にロサンゼルスで行われた空手大会で初めて直接打撃の試合を行い、そのスタイルの可能性を示しました。この試合では選手がボクシングリングで戦い、ルイスは2ラウンドで相手をKOする成績を残しました。この新たなスタイルは「キックボクシング」として認識され始めましたが、当時はルールが完璧に整備されていなかったため、肘打ちや膝蹴りが認められる過激な内容であったため、参加者は少数であり色物扱いされがちでした。

競技形式の確立

プロ空手協会が成り立った背景には、空手の競技スタイルを一般化し、商業的に成功を収めるための利害関係者の協力がありました。クワイン夫妻が協会の初代会長に就任した際には、空手の専門知識を持たない彼らが、チャック・ノリスの道場に入門した経歴を活かし、信頼を獲得しました。そして、1974年9月14日にアメリカのロサンゼルスで開催された「WORLD PROFESSIONAL KARATE CHAMPIONSHIPS 1974」にて、初の世界王者を決めるトーナメントが行われました。

このトーナメントでは、14名の選手が4つの階級に分かれて競い、優勝者にはそれぞれ3000ドルの賞金が授与されました。ライト級ではイザイナス・ドゥエナス、ミドル級ではビル・ウォレス、ライトヘビー級ではジェフ・スミス、ヘビー級ではジョー・ルイスが初代王者となりました。この大会は大きなメディアの注目を浴び、多くの視聴者を引きつける成功を収めました。

ルールの改変と影響

プロ空手協会は、ボクシンググローブの着用を義務付けることにより、フルコンタクト空手の試合スタイルを洗練させていきました。特に、グローブの使用による安全性の向上が求められ、初期のルールにあった肘打ちや膝蹴りのような攻撃は次第に制限されるようになりました。これにより、フルコンタクトでの競技スタイルは、ボクシングの手技と空手の蹴り技を組み合わせた形に確立されていきます。

初代王者の防衛戦

1975年5月3日には、ミドル級初代王者ビル・ウォレスが初防衛戦を行い、そこで勝利を収めました。この頃には世界ランキングが整備され、空手の競技がより広範に認知されるようになりました。プロ空手協会は、空手の新しい形を確立し、従来の武道への評価や見方にも変化をもたらしました。時が経つにつれ、より多くの選手がフルコンタクト空手に参加し、従来の枠を超えた新しい競技として根付いていったのです。

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