プロ野球ファミリースタジアム'88

プロ野球ファミリースタジアム'88

『プロ野球ファミリースタジアム'88』は、ナムコ（現在のバンダイナムコエンターテインメント）によって1998年12月20日に発表されたファミリーコンピュータ専用の野球ゲームです。シリーズの第49作目となる本作は、1980年代に登場した他の野球ゲームの進化系と位置付けられています。

ゲームの特徴

本作の最も顕著な特長は、前年に発表されたPCエンジン版『プロ野球ワールドスタジアム』やアーケード版からの要素の逆輸入です。これにより、試合の新しいルールや、打球を弾いたりするエラーシステムが導入されました。特に注目されるのは、試合開始前にスターティングメンバーの打順を変更することが可能になった点で、これはアーケード版からの影響を受けています。

また、投手枠がこれまでの「先発2人、リリーフ2人」から「先発4人、リリーフ2人」となり、選手の幅が広がりました。各チームのエラー率も異なる設定がなされ、リアルな野球体験を提供しています。

新要素とプレイスタイル

本作では「好調選手」という新たな要素が追加されました。スターティングメンバーの中からランダムに2名が選ばれ、通常よりも長打力が向上します。また、試合の第7回表と裏は「ラッキー7」として、全ての選手が好調になります。このシステムは後にアーケードゲーム『SUPERワールドスタジアム』に派生し、特定のチームの選手が全員好調になるモードが追加されました。

試合終了後には、架空のスポーツ新聞『ナムコットスポーツ』を介して結果報告が行われ、選手の「年俸」が評価パラメータとして表示される特徴もあります。特に全チームに勝利した際には、特別なキャスターが登場する演出も見逃せません。

フルコンティニューと対人戦

パスワードコンティニューが廃止されたため、プレイヤーはノーリセットで全13球団に勝利する必要があります。対戦モードでは、いずれかのプレイヤーが4勝するまで試合は続けられます。これにより、より高い緊張感と戦略性が求められます。

球団と選手名

選手名については、著作権上の問題から前作よりも微妙に変更されていますが、当時のNPBチームを模した12のチームが家庭用ゲームに初めて登場しました。ライオネルズ（西武ライオンズ）、バッカルーズ（近鉄バファローズ）、ファイアーズ（日本ハムファイターズ）など、プレイヤーに親しみのあるチームが揃っています。

エディット機能と球場

新たにエディットチーム機能が搭載され、プレイヤーはオリジナルチームを作成することが可能になりました。ただし、選手のパラメータ合計には制限があり、極端に強力な選手だけで編成されたチームは作れないよう配慮されています。

球場も前作より多様化され、東京ドームや甲子園球場、ナゴヤ球場をモデルにした4つの球場から選択できるようになりました。

まとめ

『プロ野球ファミリースタジアム'88』は、操作性と戦略が求められる奥深いゲームとなっており、家庭用ゲーム機における野球ゲームの新たなスタンダードを確立しました。バラエティに富んだ球団や新要素を通じて、多くのファンに愛され続けています。

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