ヘッセン＝ダルムシュタット方伯領

ヘッセン＝ダルムシュタット方伯領：興亡の歴史

ヘッセン＝ダルムシュタット方伯領（Landgrafschaft Hessen-Darmstadt）は、神聖ローマ帝国に存在した領邦国家です。1567年、ヘッセン[[方伯]]フィリップ1世の遺領分割によって成立し、ダルムシュタットをその首都としました。その後、ナポレオン戦争の影響下で神聖ローマ帝国が消滅すると、1806年にヘッセン大公国へと昇格しました。

ヘッセン＝ダルムシュタット方伯領の成立

ヘッセン＝ダルムシュタット方伯領は、ヘッセン[[方伯]]フィリップ1世の4人の息子の一人、ゲオルク1世が相続した領地を基盤として成立しました。この領邦は、その後の歴史において、宗教的な対立や領土紛争に巻き込まれていきます。

宗教対立と領土紛争

1604年、ヘッセン＝マールブルク方伯領の相続者が絶えると、マールブルク方伯領の継承を巡り、カルヴァン派を奉じるヘッセン＝カッセルと、ルター派のヘッセン＝ダルムシュタットの間で激しい対立が勃発しました。ヘッセン＝カッセルの影響下にあったマールブルク大学がカルヴァン派大学であったのに対し、ヘッセン＝ダルムシュタット方伯家は1607年にルター派のギーセン大学を創設し、対抗しました。この対立は三十年戦争にまで発展し、ヘッセン＝カッセルがプロテスタント側で戦ったのに対し、ヘッセン＝ダルムシュタットは神聖ローマ皇帝軍に味方するという事態を招きました。

ナポレオン戦争とヘッセン大公国への昇格

1803年の帝国代表者会議主要決議により、ヘッセン＝ダルムシュタットはケルン大司教領の一部であったヴェストファーレン公国、マインツ大司教領、ヴォルムス司教領の一部など、広大な地域を併合することに成功しました。1806年の神聖ローマ帝国消滅に際し、ヘッセン＝カッセル選帝侯ヴィルヘルム1世が廃位され領国を没収されると、当時のヘッセン＝ダルムシュタット方伯ルートヴィヒ10世はヘッセン大公を称するようになりました。

ヘッセン＝ダルムシュタット方伯

ゲオルク1世（在位：1568年 - 1596年）
ルートヴィヒ5世（在位：1596年 - 1626年）
ゲオルク2世（在位：1626年 - 1661年）
ルートヴィヒ6世（在位：1661年 - 1678年）
ルートヴィヒ7世（在位：1678年）
エルンスト・ルートヴィヒ（在位：1678年 - 1739年）
ルートヴィヒ8世（在位：1739年 - 1768年）
ルートヴィヒ9世（在位：1768年 - 1790年）
ルートヴィヒ10世（在位：1790年 - 1830年、1806年よりヘッセン大公ルートヴィヒ1世）

関連事項

ヘッセンの統治者一覧 (外部リンク)
ダルムシュタットの歴史 (外部リンク)
ヘッセン＝ホンブルク方伯領 (外部リンク)
* バッテンベルク家 (外部リンク)

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