ヘラルド朝日

ヘラルド朝日について

ヘラルド朝日（ヘラルドあさひ）は、正式には「International Herald Tribune/The Asahi Shimbun」と呼ばれ、朝日新聞社とニューヨーク・タイムズが提携し、2001年4月2日に創刊された英字新聞である。略称はIHT/Asahiで、初期の表記は「ヘラトリ朝日」とされていた。

発行と内容

この新聞は東京、名古屋、大阪の3都市で印刷され、主に月曜日から土曜日の週6日発行されていた。紙面は、前半がインターナショナル・ヘラルド・トリビューン（IHT）から提供された記事、後半が朝日新聞の自社制作による英語版で構成されており、国際的な視点を取り入れた内容が盛り込まれていた。また、発行部数は2010年時点で約33,000部と公称されている。特に、英字新聞として欧米のニュースを迅速に報道する役割を果たしていた。

2008年4月には、一部の販売価格が150円から160円に値上げされるなど、経済的な変遷が見られた。ヘラルド朝日は、長らくの運営の後、2011年2月末で廃刊となった。廃刊の理由は、朝日新聞が紙媒体の英字新聞事業から撤退したためであるが、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン自体はその後も朝日新聞の印刷・配達サービスを受けていた。

その後の変遷

2013年にはインターナショナル・ヘラルド・トリビューンがインターナショナル・ニューヨーク・タイムズに改称され、朝日新聞発足の英字新聞としての役割は事実上、ジャパンタイムズに統合されることとなった。この際、朝日新聞は引き続き英字新聞の宅配を担当している。

朝日イブニングニュース

ヘラルド朝日の前身としては、1954年に創刊された「朝日イブニングニュース」が存在する。この夕刊紙は、朝日新聞の創刊75周年記念事業の一環として発行され、主に欧米のニュースを早く報道するために創刊された。しかし、ヘラルド朝日の創刊と共に廃刊に至り、その時点までの発行号数はヘラルド朝日に受け継がれた。

雇用関連の訴訟

ヘラルド朝日では、2002年11月に外国人嘱託やフリーの記者、翻訳者が集まり、ヘラルド朝日労働組合を結成した。彼らはフリーランスの記者たちの雇用関係の認定を求めたが、朝日新聞社は新たな業務委託契約や1年契約の雇用契約を提示した。しかし、組合側はこれを拒否。結果として契約が終了した記者たちは、朝日新聞社を相手に労働契約上の地位確認の訴えを起こしたが、2007年には東京地方裁判所と東京高等裁判所の両方で原告の請求は棄却された。最終的に、最高裁判所はこの件に対し受理しない決定を下し、雇用関係が存在しないという判決が確定した。

最後に

ヘラルド朝日は、短命でありながらも日本における英字ニュースの重要な一翼を担った。この新聞の名は、朝日新聞とニューヨーク・タイムズの提携の象徴として、今も多くの人々に記憶されている。

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