ヘルシンギン・サノマット

ヘルシンギン・サノマット (Helsingin Sanomat)

『ヘルシンギン・サノマット』は、フィンランド最大の契約制新聞であり、北欧諸国においても重要なメディアの一つです。日本語では『ヘルシンキ新聞』と訳されることもあります。フィンランドを拠点とするメディアグループ、サノマ社によって所有され、祝日を除きほぼ毎日発行されています。

この新聞は、フィンランドの首都ヘルシンキで発行されており、その名前もヘルシンキに由来します。ウェブサイト「HS.fi」は、フィンランドのニュースに関する重要な情報源として利用されており、2009年6月にはフィンランドで6番目に人気のあるウェブサイトとなりました。

フィンランド国内では、紙面名を略して「HS」と呼ばれることが多く、口語では「ヘサリ（Hesari）」という愛称で親しまれています。過去には「ヘサ（Hesa）」という略称も使われていました。

歴史

『ヘルシンギン・サノマット』は、1889年に「Päivälehti」として創刊されました。当時のフィンランドはロシア帝国の支配下にありましたが、この新聞はフィンランドの自由と独立を強く主張しました。そのため、ロシア当局による政治的検閲を受け、一時的に発行を停止させられたこともありました。1904年には永久に発行停止となりますが、1905年に現在の名称で再創刊されました。当初はフィンランド青年党の機関紙でしたが、1930年代以降は非同盟独立の立場をとっています。

ヘルシンギン・サノマット社は、長らくエルッコ家による同族経営でしたが、現在はサノマ社が所有しています。エルッコ家はフィンランド政府との関係が非常に深く、例えば冬戦争へと向かう時代には、ユホ・エリャス・エルッコが外務大臣を務めながら、この新聞の発行者でもありました。

構成

『ヘルシンギン・サノマット』は、大判の新聞紙として発行されています。毎月、「Kuukausiliite」（毎月の付録）という名前の付録が付属し、毎週テレビガイドと「Nyt」（今）という娯楽系の付録も提供されています。

発行部数・影響

『ヘルシンギン・サノマット』は、ヘルシンキ地域の約75%の世帯に読まれており、地域紙としての役割も果たしています。一日あたりの発行部数は40万部を超え、フィンランドの全人口の約8%に相当します。これは、購読制新聞としては北欧最大の発行部数です。

この新聞は、フィンランド社会において重要な存在であり、ジャーナリストや学者からは、社会や政治から独立した公共機関として認識されています。また、フィンランドがEUに加盟する際には、加盟を強く主張し、実現に貢献しました。現在もフィンランドのNATO加盟を支持する立場を表明しています。

ヘルシンギン・サノマット国際版

『ヘルシンギン・サノマット』の英語版ウェブサイトである『ヘルシンギン・サノマット国際版』は、1999年に開設されました。当初は、フィンランドが欧州連合理事会議長国となった際に、フィンランド関連の情報発信を担うことを目的としていましたが、議長国としての役割を終えた後も、英語圏におけるフィンランドの主要な情報源として、またフィンランドへの英語話者の移民にとって重要な情報源として、その運営は継続されています。

外部リンク

ヘルシンギン・サノマット
ヘルシンギン・サノマット国際版

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