ヘンリー・エヴィントン

ヘンリー・エヴィントン（1848年 - 1912年）は、イングランド国教会の教会伝道協会 (CMS) から派遣されたイギリス人宣教師であり、聖公会の司祭です。彼は、開拓精神に富んだ人物として知られています。

日本での活動

1874年、エヴィントンは宣教師として長崎に上陸し、日本での活動を開始しました。同年、大阪に移り、当初は神戸に在住するイギリス人のための活動に従事しましたが、日本語を習得するにつれて、日本人への伝道に力を注ぐようになりました。

1879年には、エヴィントンを中心に信徒たちが自主的に講義所を開設し、これが発展して1883年に聖救主教会が設立されました。この教会は、現在の大阪聖愛教会の前身となっています。

1880年、エヴィントンが徳島で静養したことがきっかけとなり、徳島でもキリスト教への関心が高まりました。翌1881年には3人の受洗者を輩出し、エヴィントンの伝道が徳島における本格的な伝道の始まりとなりました。1883年には、徳島県初のプロテスタント教会である徳島教会が誕生しました。この教会は、現在の日本基督教団徳島教会であり、後に賀川豊彦がこの教会で信仰を持つことになります。

1882年、エヴィントンは山陰地方での伝道を志し、山陽地方から中国山地を越えて、江津や浜田で伝道活動を行いました。1885年には松江で伝道集会を開き、毎晩600人を超える聴衆を集めるほど盛況でした。1888年には、日本聖公会松江伝道所が島根県最初の教会として設立されました。

参考文献

日本聖公会歴史編纂委員会（編）『日本聖公会百年史』日本聖公会教務院文書局、1959年
守部喜雅『日本宣教の夜明け』いのちのことば社、2009年

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