ヘンリー・オブ・ハンティングドン

ヘンリー・オブ・ハンティングドン（1080年頃 - 1160年）は、ノルマン朝時代のイングランドでハンティングドン教区の重要な人物であり、聖職者として教区の支部を統括していました。しかし、彼が後世に名を残したのは、ブリテン島の歴史を編纂した歴史家としての功績です。

彼の代表作は『アングル人の歴史(Historia Anglorum)』であり、この書物は、紀元前43年のローマによるブリテン島侵攻から、1154年のヘンリー2世の戴冠までの長期間にわたる歴史を記述したものです。ただし、この著作の半分以上は、他の歴史書からの引用によって構成されています。特に、ベーダ・ヴィネラビリスの『イングランド教会史』からの引用が大きな割合を占めています。

ヘンリー自身が実際に記述したと考えられるのは、1126年から1154年までの期間です。この期間には、ヘンリー1世の治世、ヘンリー2世の即位、そしてスティーブンの治世における混乱といった、彼自身が実際に体験し、見聞きした出来事が含まれています。これらの記述は、歴史的な出来事を単に記録するだけでなく、物語としての構成にも優れており、読者を引き込む魅力があります。

ヘンリー・オブ・ハンティングドンの『アングル人の歴史』は、単なる歴史の記録にとどまらず、物語としての面白さも兼ね備えていたため、後世の歴史家たちに広く読まれ、大きな影響を与えました。彼の著作は、中世イングランドの歴史を研究する上で、貴重な資料となっています。

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