ベス・ダニエル

ベス・ダニエルは、1956年10月14日生まれのアメリカ合衆国の女子プロゴルファーです。サウスカロライナ州チャールストン出身で、1979年からLPGAツアーに参戦し、メジャー大会1勝を含む33勝を挙げ、2000年には世界ゴルフ殿堂入りを果たしました。

彼女の最大の特徴は、トッププロでは珍しいベースボールグリップ（テンフィンガーグリップ）を採用していることです。これは、右手と左手の指を重ねたり絡ませたりせず、10本の指全てでクラブを握る野球のバットのような握り方です。

アマチュア時代

ファーマン大学でゴルフをプレーし、ベッツィ・キングやシェリー・ターナーと共に1976年の全米選手権チームのメンバーでした。1975年と1977年の全米女子アマチュアゴルフ選手権に勝利し、1976年と1978年のカーティスカップアメリカチームにも選出されています。1978年末にプロに転向し、翌1979年からLPGAツアーに本格参戦を開始しました。

プロ転向後

1979年のパティ・バーグ・クラシックで初勝利を飾り、同年のLPGAルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。その後、ナンシー・ロペスの絶頂期と重なりながらも、ダニエルは13勝を挙げる活躍を見せました。1980年には4勝を挙げ、プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝いています。1982年、1990年、1994年にはツアー最多勝利選手となり、年間最少平均スコアのタイトル（ベアトロフィー）も3回獲得しています。特に1989年は年間平均スコアが71.00を下回り、LPGA史上2人目の記録となりました。

競技生活の頂点は1990年で、全米女子プロゴルフ選手権での勝利を含む7勝を挙げました。この年は賞金女王、ベアトロフィー、LPGAプレーヤー・オブ・ザ・イヤー、更にはAP通信アスリート・オブ・ザ・イヤーも獲得しています。

しかし、1986年から1988年、そして1996年から2002年までの間、2度の大きなスランプに苦しみ、勝利から遠ざかりました。2003年のBMOカナディアン女子オープンで復活優勝を遂げた際には、46歳8ヶ月29日というツアー史上最年長優勝記録を樹立しました（2009年8月現在）。

2005年以降は出場トーナメントを減らし、2007年には5大会に出場しました。同年、ソルハイムカップアメリカツアーチームの副主将を務め、2009年にはソルハイムカップで主将に指名され、ヨーロッパチームを破りました。また、ザ・ゴルフ・チャンネルのLPGAツアー中継番組で臨時の解説者を務めたこともあります。

彼女の功績を称え、サウスカロライナ州では最も優れた女子ジュニア・ゴルファーに「ベス・ダニエル・アワード」が授与されています。この賞は、サウスカロライナ・ジュニア・ゴルフ・アソシエーションで年間最も多くのポイントを獲得したプレーヤーに贈られます。

LPGAツアー優勝歴（一部）

1979年：1勝
1980年：シボレー世界選手権など4勝
1981年：シボレー世界選手権など2勝
1982年：サン・シティ・クラシックなど5勝
1990年：全米女子プロゴルフ選手権など7勝
2003年：1勝

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