ベッキー・ハモン

レベッカ・リン・ハモン：バスケットボール界のパイオニア

レベッカ・リン・ハモン（愛称ベッキー・ハモン）は、1977年3月11日、アメリカ合衆国サウスダコタ州ラピッドシティに生まれました。元プロバスケットボール選手であり、現在は指導者としてWNBAのラスベガス・エーシズを率いています。

生い立ちと初期のキャリア

3歳からボールに触れ、自宅のゴールで姉や兄と競い合って腕を磨きました。小柄だったハモンは、ブロックを避けるためにフェイントを多用し、ディフェンスのバランスを崩す技術を幼い頃から身につけていきました。

ハイスクール時代には州の最優秀選手に選ばれるも、サウスダコタという土地柄から、大学からの注目は限られていました。しかし、インディアナでのバスケットボールキャンプに参加したことが転機となり、その才能が開花。多くの大学から奨学金のオファーを受け、最終的にコロラド州立大学に進学しました。

大学での活躍

コロラド州立大学は当時、強豪とは言えませんでしたが、ハモンの加入によってその状況は一変します。1年生でチームを初のNCAAトーナメントに導き、4年生の時にはスウィート16に進出。大学バスケットボール界でその名を轟かせました。

WNBAでのキャリア

オールアメリカンにも選出されたハモンでしたが、1999年のWNBAドラフトでは指名を受けませんでした。しかし、フリーエージェントとしてニューヨーク・リバティと契約し、WNBAでのキャリアをスタートさせます。

16シーズンにわたりWNBAで活躍し、通算445試合に出場、5809得点、1687アシストという素晴らしい記録を残しました。オールスターには6回選出され、2011年にはWNBAの歴代トップ15にも選ばれました。2015年8月2日には、リバティから長年の貢献を称えられ、名誉リングが贈呈されました。

その他のクラブと国際大会

WNBA以外にも、NWBLやヨーロッパのクラブチームでもプレーしました。オリンピック出場を熱望していましたが、アメリカ代表には選ばれず、ロシアの市民権を取得してロシア代表として出場。2008年の北京オリンピックでは銅メダル、2012年のロンドンオリンピックでは4位入賞を果たしました。

NBAアシスタントコーチとして

2014年8月5日、サンアントニオ・スパーズのアシスタントコーチに就任。NBAチームでフルタイムのコーチを務める初の女性となりました。グレッグ・ポポヴィッチHCは、ハモンのバスケットボールIQ、仕事への姿勢、対人スキルを高く評価しました。2015年のサマーリーグでは、スパーズを優勝に導き、若手選手の育成にも貢献しました。

現在

2021年12月31日、ハモンはWNBAのラスベガス・エーシズのヘッドコーチに就任。新たな挑戦を始めています。初の女性フルタイムアシスタントコーチという実績をもち、指導者として、今後の活躍も非常に期待されています。

ベッキー・ハモンは、その卓越した才能と努力で、バスケットボール界の歴史に名を刻んだだけでなく、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

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