ベトナム共和国陸軍特殊部隊

ベトナム共和国陸軍特殊部隊の歴史

ベトナム共和国陸軍特殊部隊（LLDB）は1956年に設立され、当初は敵占領地域での隠密活動や諜報、誘拐、サボタージュといった任務を中心に活動していました。時を経るにつれ、その能力が向上し、ベトナム共和国過軍（南ベトナム陸軍）内での精鋭部隊とみなされるようになりました。

創設の背景

ベトナム共和国陸軍の特殊部隊は、1956年2月、ニャチャンに存在していた旧フランス軍の空挺部隊を引き継ぐ形で始まりました。この際、アメリカ合衆国からの指導を受けた南ベトナム米軍事援助顧問団（MAAG）の協力のもと、ゴ・ディン・ジエム大統領は特殊部隊の編成と訓練を命じました。これに従って、新たに中央訓練別働隊が設立され、特に諜報や防諜の訓練を重視した組織活動が進められました。

しかし、同年末にはジエム大統領が教育訓練局を解散し、任務の一部を社会政治研究所へと移管しました。その後、新しい連絡所が設立され、特殊部隊の運営が進められ、アメリカの支援を基盤に活動が展開されました。最初の軍事顧問にはロジャース大佐が任命され、その後パーカー大佐が後を継ぎました。

拡大と活動

地形開拓所の設置以降、特殊部隊では北ベトナムへの諜報活動を専門とする第45課と、南ベトナム国内を対象とした第55課が整備されました。1961年には北部や国境での活動を目的とした大隊規模の部隊が設置され、特に反乱作戦は重要な任務として認識されました。それにより、特殊部隊の活動はより多岐に渡ることとなります。

このような状況下、1963年にはジエム大統領が特殊部隊の大規模な再編を命じ、専任部隊としての統合が進められました。この新たに編成された部隊は国防省に属しながら、実際には大統領の直属の部隊として運営されることになります。

重要な出来事とクーデター

1963年、仏教徒危機が発生した際には特殊部隊がサーロイ寺を襲撃する事件がありましたが、その結果、陸軍内部でクーデターが発生しました。この動乱によって特殊部隊の指揮官は排除され、ジエム大統領とその弟であるヌーも暗殺される事態となりました。

クーデター後、特殊部隊の組織は再編され、いくつかの部隊が新名称に変更されました。1965年6月には、再編された特殊部隊が正式に設置され、約5000名の隊員が投入されました。

解散とその後

しかし、1970年にはベトナム戦争の激化を背景に特殊部隊の解散が決定され、多くの将兵が他の陸軍部隊、特に第81レンジャー群に配属されることとなりました。解散は厳しい戦局の中でのやむを得ない措置でした。

まとめ

ベトナム共和国陸軍特殊部隊は、設立当初からの歴史的背景や、戦時中の現場での活動、またクーデターによる変遷や最終的な解散まで、多くの歴史的シーンを持つ部隊でした。その役割や成果は、戦争という困難な時代の中で形作られました。

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