ベネズエラの行政区画

ベネズエラの地方制度

ベネズエラの地方制度は、州、基礎自治体、区の三層構造を基本としていますが、区は自治体としての機能を持たない場合があるため、実質的には二層構造と見なすこともできます。形式上は連邦制を採用していますが、南米諸国の中でも中央集権的な色彩が強く、州の独立性は限定的です。

行政区分

州（Estado）: ベネズエラには23の州と、首都地区、連邦直轄領が存在します。首都地区と連邦直轄領には州政府に相当する組織はありません。2023年12月には、ベネズエラ政府が領有権を主張するガイアナのエセキボ川西岸地域にグアヤナ・エセキバ州を創設し、合計24州となりましたが、当該地域はガイアナが実効支配しており、ベネズエラの施政権は及んでいません。
基礎自治体（Municipio）: 州の下に位置する行政区画です。
区（Parroquia）: 基礎自治体の下位に位置する行政区画です。スペイン語で教区を意味しますが、現在のベネズエラでは行政区画としての意味合いが強く、民区と呼ばれることもあります。小規模な市では、一市がそのまま一区となる場合もあります。

地方制度の変遷

かつては州と基礎自治体の間に郡（Distrito）が存在しましたが、1980年代に廃止されました。この再編により、旧郡は現在の市に、旧市は現在の区に相当するようになりました。バルガス州のように、一州が一つの市である例も存在します。また、カラカス大都市地区やアルトアプレ郡のように、特別な自治体として、基礎自治体の上位に位置づけられている地域もあります。

選挙と任命

選挙によって選出されるのは、州知事、州議会議員、市長、市会議員、区議員です。一方、区長は任命制となっています。

地域区分

ベネズエラは、地理的・文化的特性に基づいて8つの地域に区分されます。これらの地域区分は、地理、文化、計画の目的で使用されますが、地域政府のような行政組織は存在しません。

関連項目

ISO 3166-2:VE
ベネズエラの都市の一覧
ベネズエラの基礎自治体
* ベネズエラの区

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