ベラック

ベラックは、フランス中西部のヌーヴェル＝アキテーヌ地域圏、オート＝ヴィエンヌ県に位置するコミューンです。ブロンド山地の中にあり、森や河川に恵まれた牧歌的な風景が広がっています。特に、ヴァントゥ川はコミューンにとって重要な存在です。地理的には、フランスの中央西寄りに位置し、主要都市へのアクセスも良好で、ポワティエまで約70km、リモージュまで約45kmの距離にあります。

交通の便も良く、主要国道N145をはじめとする4本の国道が交差しています。リモージュ空港とベラックの間、リモージュ駅やポワティエ駅とベラックの間にはシャトルバスが運行されており、都市部からのアクセスも容易です。また、ベラック駅にはTERリムーザンの路線が乗り入れています。

ベラックの歴史は古く、10世紀初頭にはフランク貴族のラ・マルシュ伯爵ボソンが、ヴァントゥ川を見下ろす岩の上に木造の城を築いたことが記録されています。その後、リムーザン、ラ・マルシュ、ポワトゥー、ベリーといった各地方を結ぶ交通の要所として発展し、商業で栄えました。12世紀半ばには、ボソンの子孫であるアルドベール3世が住民に自由特権を授け、貿易がさらに活発化しました。1世紀後には、皮なめし職人たちがヴァントゥ川沿いに移り住み、地域の産業を支えました。

1531年には、ベラックは恒久的に王国領に組み込まれ、フランソワ1世が年4回の見本市と週末の市場の開催を許可しました。同時期には病院が設立され、17世紀にはイエズス会が神学校を設立するなど、文化的な発展も見られました。1663年には、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌが数日間滞在し、書簡を書いています。1800年には、ベラックは郡庁所在地となりました。

ベラックには、歴史的な史跡も数多く残されています。特にノートルダム教会は、12世紀から14世紀にかけてロマネスク様式とゴシック様式が混ざり合った建築で、歴史文化財にも指定されています。もともとはラ・マルシュ伯の居城の付属礼拝堂でした。また、13世紀に建設された古い石造橋や、15世紀の旧皮なめし工房、古い城壁の遺構なども見ることができます。

ベラックの出身者としては、作家のジャン・ジロドゥがいます。また、ドイツのヴァセルトリューディンゲンと、ガンビアのシフォエと姉妹都市提携を結んでいます。

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