ベリア・マゴフィン

ベリア・マゴフィンの生涯と業績

ベリア・マゴフィン（1815年4月18日 - 1885年2月28日）は、19世紀のアメリカ合衆国における重要な政治家で、特に南北戦争時のケンタッキー州知事として知られています。彼は知事在任中に州の権限を強く支持し、個人的にはアメリカ合衆国からの脱退権を認める立場を持っていました。しかし、その反面、ケンタッキー州議会が中立の立場を取る中、彼は北軍と南軍の援助の呼びかけを拒否し続けました。これにより、彼はその後の政治的苦境に直面することとなります。

初期の経歴

ベリア・マゴフィンはケンタッキー州ハロズバーグに生まれ、父親はアイルランドからの移民で、母親は地元の著名な開拓者の血を引いていました。彼はハロズバーグの公立学校で教育を受けた後、センター・カレッジを卒業し、トランシルベニア大学から法学士の学位を取得しました。法曹界に進んだ後、ミシシッピ州でも活動しましたが、健康を損ねたため早々にケンタッキーに戻り、法律実務に専念しました。1840年には州知事から警察裁判所判事に任命され、1841年にはアンナ・ネルソン・シェルビーと結婚しました。

彼は政治活動にも精力的に取り組み、1844年から1872年まで、4回の大統領選挙で選挙人を務めました。また、ケンタッキー州上院議員としても活動した経験があります。

ケンタッキー州知事としての役割

1859年、マゴフィンは知事に選ばれました。彼の在任中は奴隷制度を支持し、州が連邦から脱退する権利を主張していましたが、一方で後に中立政策を取ることとなりました。彼は特に1861年に招集した特別議会において、南北戦争で州がどのように対応するべきかについての論争を引き起こしました。当時の議会は連邦主義者が多数を占めており、マゴフィンが自身の政策に対して信任を得ることは困難でした。

1861年1月に自身の主導で特別議会を招集し、政府の対応を協議しようとしますが、議会はその会議を拒否。最終的に彼の主張は受け入れられず、彼は従わざるを得ない状況に陥ります。このように、彼の中立政策は議会によって度重なる拒絶に遭い、多くの権限が制限されていくこととなりました。

辞任とその後

その後も議会との対立が続き、1862年には辞任する意向を示しましたが、後継者を自分で選ぶことを条件にしました。結果、彼が選んだジェイムズ・F・ロビンソンが知事に就任することになります。マゴフィン自身は法律実務に戻り、農園を経営しながら裕福な生活を送りました。

晩年と死

南北戦争後、彼は戦争の結果を受け入れるよう他の住民に促し、黒人の公民権を支持し、憲法修正第13条の成立を奨励しました。1867年から1869年にはケンタッキー州下院議員も務め、その後1885年に亡くなるまで地方政治に関わり続けました。彼の名はケンタッキー州にあるマゴフィン郡に刻まれ、後世にその功績が称えられています。

1985年、マゴフィンはハロズバーグの自宅で亡くなり、スプリングヒル墓地に埋葬されました。彼の人生と業績は、アメリカ合衆国における州権や南北戦争の歴史を考える上で欠かせない重要な要素を提供しています。

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