ベルギー高速鉄道4号線

ベルギー高速鉄道4号線（HSL 4）は、ベルギーの主要な高速鉄道路線であり、スキポール・アントウェルペン高速線の一部を担っています。この路線は、ブリュッセルとオランダ国境を結び、全長87kmに及びます。そのうち40kmは新設された高速線であり、残りの47kmは在来線を改良した区間です。

当初、2007年の完成が予定されていましたが、信号保安設備の問題などにより開業が遅れ、2009年にようやく運行を開始しました。オランダ側では、HSL-Zuidがスキポール空港駅まで高速線を構成しています。

HSL 4の開通は、ブリュッセルとパリ、オランダ方面への所要時間を大幅に短縮することに貢献しました。現在、タリスやHigh Speed Alliance（KLMとオランダ鉄道による高速鉄道企業連合）が運行する列車がこの路線を利用しています。

路線経路

ブリュッセル南駅を出発した列車は、まず北方向へ進み、ブリュッセル中央駅、ブリュッセル北駅を通過します。スカルベークで路線は2つに分岐します。東側、リエージュやドイツ方面へ向かう路線はHSL 2であり、HSL 4はそのまま北へ進み、アントウェルペン、そしてオランダ国境を目指します。

ブリュッセルとアントウェルペン間の47kmは、改良された在来線を列車は最高時速160kmで走行します。ただし、一部区間では最高速度が120km/hに制限されています。

アントウェルペンでは、高速列車がアントウェルペン中央駅を直接通過できるよう、市街地の地下にトンネルが建設されました。このトンネル内は時速90kmで走行します。地上に出た列車は、アントウェルペン＝ダム駅を過ぎ、アルバート運河を渡ると、在来線のアントウェルペン・エッセン線と合流します。

その後、高速道路E19・A12号線の分岐点で在来線から離れ、オランダ国境までの40kmの区間を、新設された高速線（最高時速300km）を走行します。この区間は、E19号線と並行しており、複数の橋梁が建設されました。アントウェルペン州内のスコーテン、ブラースハート、ブレフト、Wuustwezel、ホーグストラーテンなどを通過し、オランダに入るとHSL-Zuidとなり、アムステルダム方面へと続きます。

アントウェルペン中央駅周辺の改良

2007年3月23日、アントウェルペンの幹線鉄道の南北を結ぶ連絡線が開業しました。このプロジェクトでは、アントウェルペン＝ベルヘム駅とアントウェルペン＝ダム駅を結ぶ全長3.8kmのトンネルが建設され、地下18mを通過する2本の単線トンネルが完成しました。事業費は総額7億6,500万ユーロに達しました。

この改良により、頭端式高架ホームだったアントウェルペン中央駅での折り返し運転が解消されました。新たに地下2階に4線分の貫通型ホームが設けられ、3月26日からベルギー国鉄のローカル列車が発着しています。12月のダイヤ改正までに列車は徐々に増便され、地下1階の頭端ホーム4線が開業すると、高架階の6線と合わせて合計14線が使用可能になります。さらに、5月には120店舗も開業しています。

この改良によって、アントウェルペン中央駅は、より機能的で利用しやすい駅へと生まれ変わりました。

参考・引用文献
鉄道ジャーナル　2007年9月号　136頁　Overseas Railway Topics

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