ベルムード3世

ベルムード3世の生涯と治世

ベルムード3世（Bermudo III de León、1017年 - 1037年9月4日）は、ペレス朝の最後のレオン王として知られています。彼は父アルフォンソ5世と王妃エルビラの間に生まれ、父の死によりわずか11歳で王位に就きました。彼の治世は1028年から1037年まででした。若い王は政務を行うための経験が乏しく、周囲の情勢に多大な影響を受けました。

ベルムード3世が即位したとき、ナバラ王国はサンチョ3世（大王）の下で繁栄を迎えており、彼はナバラ王女ヒメナを妻に迎えることで政治的な連携を深めました。王国の未来に影響を与える重要な出来事が続発しました。その一つは、カスティーリャ伯のガルシア・サンチェスがベルムード3世の妹、サンチャとの結婚のためにレオンへ向かう途中に起きた事件です。彼は到着するや否や、過去に自らの父親が受けた侮辱を晴らすために、ベラ家の者に暗殺されました。これにより、カスティーリャ伯の血筋が絶えてしまい、ナバラ王サンチョ3世はその権利を主張するためにカスティーリャに侵攻し、セア川とピスエルガ川の境界地域を占領しました。この攻撃の後、サンチョ3世はベラ家を根絶し、新たなカスティーリャ伯には彼の子であるフェルナンドが選ばれました。

ベルムード3世が成長し成年に達した1032年、彼は失われたレオンの領土を回復しようと試みましたが、ナバラ王によって奪われた土地を取り戻すことができませんでした。彼は妹サンチャとフェルナンドの結婚によって領土の回復を狙いましたが、結局は成功しませんでした。反対に、サンチョ3世はアストルガとレオンを占領し、ベルムード3世の手元に残されたのはガリシア王国の領土だけとなってしまいました。アストルガとレオンは、サンチョ3世の死に至るまで王国に戻ることはありませんでした。

その後、ベルムード3世はセア川とピスエルガ川の間の地域を再び取り戻そうと奮闘しましたが、タマロンの戦いで戦死を遂げました。この戦いでは、彼の部隊は戦略的な位置を奪取しようとしましたが、結果的に敗北が訪れました。戦後、ベルムード3世の王位は妹サンチャに引き継がれ、彼女の夫であるフェルナンドはベルムードの権利を受け継いでフェルナンド1世として即位しました。

ベルムード3世の埋葬については議論があり、彼の墓はレオンのサン・イシドロ教会の王室霊廟とナヘラのサンタ・マリーア王立修道院の2か所に存在するとされています。このように、彼の死後もその存在は歴史に多くの影響を与えていることが伺えます。

また、彼はナバラ王サンチョ3世の娘ヒメナと結婚し、子どもをもうけましたが残念ながらその子は幼くして亡くなりました。ベルムード3世の生涯は、若き王が歴史の波に翻弄され、王権の維持と領土の回復を目指して苦闘した姿を物語っています。

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