ベレンガリア・デ・ポルトゥガル

ベレンガリア・デ・ポルトゥガル：異国の王妃の生涯

ベレンガリア・デ・ポルトゥガル（1194年 - 1221年3月27日）は、ポルトガル王サンシュ1世と王妃ドゥルセの娘として生まれました。彼女は、デンマーク王ヴァルデマー2世の2番目の妃となった女性です。

結婚の背景

ヴァルデマー2世は、妹インゲボルグを通じてベレンガリアと出会いました。当時、デンマークは西方の敵国との関係から、フランドルとの同盟を重視していました。ベレンガリアの兄フェルナンドとフランドル女伯ジャンヌの結婚は、その同盟関係を強化する一環でした。また、フランス王フィリップ2世の最初の王妃イザベルがジャンヌの叔母であったことから、フランスとの友好関係も期待されていました。ヴァルデマー2世は、先妻ダグマールを亡くしたばかりであり、新たな妃を求めていました。

デンマークでの苦難

先王妃ダグマールは、ブロンドの髪を持つ北欧らしい容姿で、国民から深く愛されていました。彼女を偲ぶ詩歌が数多く残っていることからも、その人気がうかがえます。一方、ベレンガリアは黒い瞳と黒髪を持つ、南国的な美貌の持ち主でした。その容姿の違いからか、デンマークの人々は彼女をなかなか受け入れませんでした。彼女の美貌を讃える歌が作られた一方で、ヴァルデマー2世が国民に重税を課したのは彼女のせいだと非難する声も上がりました（実際には、税金は王妃のためではなく、ヴァルデマー2世の戦費に充てられていました）。

短くも波乱に満ちた生涯

1219年、ヴァルデマー2世はエストニア遠征で勝利を収めました。この時、現在のデンマーク国旗が初めて掲げられたと言われています。しかし、ベレンガリアは1221年に子供を死産し、その後亡くなりました（ペストによる病死という説もあります）。彼女はリングステズの聖ベント教会に埋葬されました。

子孫

ベレンガリアは、ヴァルデマー2世との間に以下の子供をもうけました。

エーリク4世（1216年 - 1250年）：デンマーク王
ソフィア（1217年 - 1247年）：ブランデンブルク辺境伯ヨハン1世妃
アーベル（1218年 - 1252年）：デンマーク王
クリストファ1世（1219年 - 1259年）：デンマーク王

ベレンガリア・デ・ポルトゥガルは、異国から嫁いだ王妃として、短いながらも波乱に満ちた生涯を送りました。彼女の存在は、デンマークの歴史に深く刻まれています。

もう一度検索