ベン・ウィートリー

ベン・ウィートリーは、1972年5月7日にイギリスのエセックスで生を受けた映画監督です。特に、スリリングなホラー作品『キル・リスト』や、不条理なユーモアを含むブラックコメディー『サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド』といった個性的な作品群で、その名を広く知られています。

経歴

監督としてのキャリアは、まずテレビのコメディー番組や広告制作に携わるところから始まりました。その後、2009年に長編映画の分野に進出し、監督デビュー作となる『Down Terrace』を発表しました。

転機となったのは2011年に発表したホラー映画『キル・リスト』です。この作品は、その独特な雰囲気と予測不能な展開で批評家から高い評価を得ました。続く2012年には、皮肉と暴力が入り混じるブラックコメディー『サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド』のメガホンを取り、ここでも彼独自の作風を確立しました。また、この年にはオムニバス映画『ABC・オブ・デス』の一編も手がけています。

その後も精力的に作品を発表し、2013年には歴史スリラー『A Field in England』を監督。2015年には、J・G・バラードの小説を原作とする退廃的なスリラー『ハイ・ライズ』を監督し、主演にトム・ヒドルストンを迎えました。この作品は第40回トロント国際映画祭で上映され、国際的な注目を集めました。2016年には、銃撃戦が延々と続くアクションコメディー『フリー・ファイヤー』を監督し、再び異なるジャンルで手腕を発揮しました。

近年では、有名な原作の映像化にも挑戦しています。2020年には、ダフネ・デュ・モーリエの小説を原作としたゴシックロマンス『レベッカ』をNetflix向けに監督しました。2021年には、パンデミック下での恐怖を描いたホラー『イン・ジ・アース』で再びオリジナル作品を制作しました。さらに、2023年には、人気巨大サメパニックシリーズの続編である大作ブロックバスター『MEG ザ・モンスターズ2』の監督に抜擢され、そのキャリアの幅広さを改めて示しました。映画以外にも、テレビシリーズの世界にも関わっており、2014年には人気SFシリーズ『ドクター・フー』の一部のエピソードの監督を務めています。

フィルモグラフィー

長編映画

『Down Terrace』 (2009年) - 監督・脚本・製作総指揮
『キル・リスト』 (Kill List, 2011年) - 監督・脚本・編集
『サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド』 (Sightseers, 2012年) - 監督・編集
『A Field in England』 (2013年) - 監督・編集
『ハイ・ライズ』 (High-Rise, 2015年) - 監督・編集
『フリー・ファイヤー』 (Free Fire, 2016年) - 監督・脚本・編集
『レベッカ』 (Rebecca, 2020年) - 監督
『イン・ジ・アース』 (In the Earth, 2021年) - 監督・脚本・製作総指揮・編集
『MEG ザ・モンスターズ2』 (Meg 2: The Trench, 2023年) - 監督

オムニバス映画

『ABC・オブ・デス』 (The ABCs of Death, 2012年) - 監督

テレビ

* 『ドクター・フー』 (Doctor Who, 2014年) - 監督

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