ベン・サッチャー

ベンジャミン・デヴィッド・サッチャー（Benjamin David Thatcher, 1975年11月30日 - ）は、イングランドのスウィンドン出身のサッカー選手で、ポジションはディフェンダーです。特筆すべきは、U-21イングランド代表を経て、ウェールズ代表に招集されたという異色の経歴を持つ点です。

サッチャーは元々、「未来のイングランド代表の左サイドバック候補」として期待され、育成されていました。しかし、度重なる怪我に悩まされたこともあり、イングランドA代表への招集は実現しませんでした。彼のキャリアに転機が訪れたのは2004年です。「A代表に招集されたことがない選手は、他国の代表に招集されることが可能になる」という新しいルールが制定されました。このルール変更により、サッチャーはウェールズ代表としてプレーする道が開かれました。

所属クラブ

ミルウォールFC (1992-1996)
ウィンブルドンFC (1996-2000)
トッテナム・ホットスパーFC (2000-2003)
レスター・シティFC (2003-2004)
マンチェスター・シティFC (2004-2007)
チャールトン・アスレティックFC (2007-2008)
* イプスウィッチ・タウンFC (2008-2010)

サッチャーは、ミルウォールFCでプロとしてのキャリアをスタートさせ、その後、ウィンブルドンFC、トッテナム・ホットスパーFCといった名門クラブでプレーしました。レスター・シティFCを経て、マンチェスター・シティFCでは、主力選手として活躍し、その名を広く知らしめました。その後は、チャールトン・アスレティックFC、イプスウィッチ・タウンFCでプレーし、2010年に現役を引退しました。

イングランドの将来を嘱望された才能が、ルール変更によってウェールズ代表として国際舞台で活躍するという、稀有なキャリアを歩んだベンジャミン・デヴィッド・サッチャー。彼のプレースタイルは、強靭なフィジカルと対人能力の高さを生かした、守備的なものでした。また、左足から繰り出される正確なロングパスも彼の武器の一つでした。怪我に苦しみながらも、様々なクラブで実績を残し、代表レベルでも異彩を放ったサッチャーは、記憶に残る名ディフェンダーと言えるでしょう。

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