ベン・フォールズ・ファイヴは、1990年代に活動したアメリカの
ピアノロックバンドです。
ノースカロライナ州チャペルヒルで結成され、
ピアノを中心とした珍しい編成と、キャッチーでひねりのある楽曲で人気を博しました。2000年に一度
解散しましたが、2012年に再結成を果たしています。
バンドの歴史
1993年、
ベン・フォールズを中心に結成された
ベン・フォールズ・ファイヴは、その名前とは裏腹に3人組のバンドでした。ベンはバンド名について「
ベン・フォールズ・スリーより響きが良いから」と述べています。彼らの音楽は、ベン自身が「泣き虫野郎のパンク・ロック」と評するように、繊細で感情的なメロディーと、パンクのエネルギーを併せ持っていました。
初期の代表曲である「Underground」は、1995年に発表された1st
アルバム『
ベン・フォールズ・ファイヴ』に収録されています。この
アルバムはアメリカでのセールスは伸び悩みましたが、日本では30万枚以上を売り上げ、
1996年には
J-WAVEの年間最優秀新人アーティストに選ばれるなど、大きな成功を収めました。また、イギリスでも
シングル「Underground」が全英
シングルチャートで37位を記録しています。
1997年に発表された2nd
アルバム『ワットエヴァー・アンド・エヴァー・アーメン』は、日本で3週間で30万枚を売り上げ、イギリスでも全英
アルバムチャートで30位を記録しました。
アルバムからカットされた
シングル「Battle Of Who Could Care Less」、「Kate」、「Brick」もトップ40入りを果たし、特に「Brick」はアメリカでもヒットしました。この曲は、
ビルボード・アダルトトップ40で11位、トップ40メインストリームで17位を記録し、
アルバム自体も全米
アルバムチャートで42位を記録する、バンド最大のヒットとなりました。
その後、未発表音源集『ネイキッド・ベイビー・フォトズ』(1998年発表)を挟み、1999年にはジャズ風の落ち着いた3rd
アルバム『ラインホルト・メスナーの肖像』をリリースしました。この
アルバムもイギリスで22位、アメリカで35位を記録しましたが、日本での売り上げは以前の作品に比べてやや落ち着きました。
1998年には、
バート・バカラックのトリビュート・
アルバムで「
雨にぬれても」をカバーし、1999年には
コソボ難民救済チャリティ
アルバムに「Leather Jacket」を提供しました。
2000年にバンドは
解散しましたが、2012年に再結成し、
アルバム『サウンド・オブ・ザ・ライフ・オブ・マインド』をリリースしました。
メンバー
ベン・フォールズ (Benjamin Scott Folds, 1966年9月12日生まれ):ボーカル、ピアノ担当。ほとんどの楽曲の作曲も担当し、バンドの中心人物です。解散後はソロアーティストとして活躍しています。
ロバート・スレッジ (Robert Sledge,
1968年3月9日生まれ):ベース、コーラス担当。
解散後は、2004年までInternational Orangeでベースを担当していました。
ダレン・ジェシー (Darren Jessee, 1971年4月8日生まれ):ドラムス、コーラス担当。ベジタリアンとしても知られています。解散後は、hotellightsというバンドでボーカルとギターを担当しています。
バンドの特徴
ベン・フォールズ・ファイヴの最大の特徴は、ピアノを中心としたギターレスのロックバンドであることです。ロックバンドでは珍しいピアノをメインにした演奏スタイルは、彼らの音楽に独特の個性を与えました。彼らの楽曲は、キャッチーでありながら、どこかひねりの効いたメロディーと、感情を揺さぶる歌詞が特徴です。
日本での人気
ベン・フォールズ・ファイヴは、日本で特に高い人気を誇りました。1996年の初来日公演は大きな成功を収め、テレビドラマ『ロングバケーション』で楽曲が使用されたこともあり、ファーストアルバムが本国よりも先に日本でヒットしました。このため、日本盤のセカンドアルバムには「Song For The Dumped」の日本語バージョンである「金返せ」が収録されるなど、日本市場を意識した活動も行っていました。
ディスコグラフィー
1995年: 『
ベン・フォールズ・ファイヴ』 (Ben Folds Five)
1997年: 『ワットエヴァー・アンド・エヴァー・アーメン』(Whatever and Ever Amen)
1998年: 『ネイキッド・ベイビー・フォトズ』(Naked Baby Photos)
1999年: 『ラインホルト・メスナーの肖像』(The Unauthorized Biography of Reinhold Messner)
2005年: 『ワットエヴァー・アンド・エヴァー・アーメン(リマスター・エディション)』
2012年: 『サウンド・オブ・ザ・ライフ・オブ・マインド』(The Sound Of The Life Of The Mind)
2001年: 『セッションズ』(The Complete Sessions At West 54th)
外部リンク
BEN FOLDS FIVE 公式ウェブサイト
Ben Folds 公式ウェブサイト
hotellights 公式ウェブサイト
International Orange 公式ウェブサイト