ベーラ2世 (ハンガリー王)

ベーラ2世について

ベーラ2世（II. Béla, 1110年頃 - 1141年2月13日）は、ハンガリー王およびクロアチア王として1131年から1141年にかけて治世を行いました。彼は幼少期に伯父カールマーンからの脅威を受け、盲目にされたことから「盲目王」とも呼ばれています。ベーラは若い頃から困難な時代を過ごし、彼の政治家としての能力や家族の支援が彼の治世を左右しました。

幼少期と即位への道

ベーラは、カールマーンの実弟アールモシュと、キエフ大公スヴャトポルク2世の娘プレドスラヴァの子として誕生しました。彼が生まれたとき、王位を巡る争いが家族内で激化していました。カールマーンの王位継承への狙いから、ベーラは彼の身を守るために幼少期に修道院に送り込まれ、父とともに過ごしながら育ちました。1115年には、アールモシュが王位を狙う陰謀が露見し、父子は東ローマ帝国へ逃亡することになります。この時、幼いベーラは父の支援者達により、秘密裏に他の修道院へと移されました。

1128年、アールモシュが亡くなった後、ベーラは従兄であるイシュトヴァーン2世に迎え入れられました。イシュトヴァーンの死によって、ベーラは王位に就くことになります。彼の即位は、イシュトヴァーンが自らの死期が近いことを自覚し、さらにサウルではなくベーラを後継者に選んだことに起因しています。

政治的対立とその影響

ベーラの即位後、彼の妃イロナが政権において重要な役割を担うことになりました。彼女は夫の盲目を理由に、権力を強化し、地方軍の指揮を任せました。治世の間、彼はボリス・コンラドとの抗争に悩まされました。ボリスはポーランド王国とキエフ大公国の支援を受け、ベーラの王権を脅かします。1132年、ポーランド王ボレスワフ2世の指導で連合軍がハンガリー侵攻を試みた際、ベーラは貴族たちを集め、ボリスを私生児と宣言しない者を処罰しました。この戦いでハンガリー軍は勝利を収めますが、ボリスは何度も侵入を繰り返すのでした。

外交政策とラースローの昇進

ベーラの外交政策も彼の治世の重要な部分を占めていました。彼は妹と姉を通じて神聖ローマ帝国やボヘミア公との関係を深め、ポーランドとの対立を緩和させました。また、1136年にはダルマチアを取り戻すべくボスニアへ遠征し、次男ラースローをボスニア公に任命するなど、軍事的な成功を収めました。これによって、王はボスニア全土を与えることになります。

終焉と後継者

ベーラ2世は1141年、過度の飲酒が原因で死去します。彼の死後、王位は彼の子供たちによって引き継がれます。ベーラはセルビア公女イロナとの間に5人の子供をもうけ、その中にはゲーザ2世、ラースロー2世、イシュトヴァーン4世などの王が含まれています。彼の家族とその統治が、ハンガリーの歴史にどのように影響を与えたのかを考えると、ベーラ2世の存在は重要であったことがわかります。

もう一度検索