ペイコー・スタジアム

ペイコー・スタジアム：シンシナティ・ベンガルズの本拠地

ペイコー・スタジアム（旧ポール・ブラウン・スタジアム）は、オハイオ州シンシナティにある多目的スタジアムで、NFLのシンシナティ・ベンガルズの本拠地として知られています。2000年に開場して以来、数々の熱戦と感動的な瞬間が刻まれてきました。

歴史

ベンガルズは、1970年からリバーフロント・スタジアムをMLBのシンシナティ・レッズと共有していましたが、老朽化と設備不足が深刻でした。そこで、ハミルトン郡での住民投票を経て、新スタジアム建設のための資金調達が決定。1998年に建設が開始され、2000年8月19日にポール・ブラウン・スタジアムとして開場しました。こけら落としは、ベンガルズ対シカゴ・ベアーズのプレシーズンゲームで、ベンガルズが勝利を飾りました。

開場後、建設費が当初の予算を大幅に超過した問題が発生しましたが、最終的には設計・建設を担当したNBBJがハミルトン郡に補償金を支払うことで合意に至りました。

当初、フィールドは天然芝でしたが、育成の問題から状態が悪化。2003年にはNFL選手会から「酷いフィールド」のワースト3に選ばれるという不名誉な評価を受けました。そのため、ハミルトン郡は人工芝への張り替えを決断。管理費の削減に加え、フィールドへのダメージを気にせず様々なイベントを開催できるようになりました。

2022年8月には、Paycor HCMに命名権が売却され、現在のペイコー・スタジアムへと名称が変更されました。

イベント

ペイコー・スタジアムでは、NFLの試合だけでなく、様々なイベントが開催されています。

カレッジフットボール

シンシナティ大学やオハイオ州立大学などが試合を開催し、多くの観客を動員しています。特に、シンシナティ大学がニッパート・スタジアムの改修で使用した際には、多くのファンが詰めかけました。シンシナティ大学とマイアミ大学の定期戦「ビクトリー・ベル」も開催されています。

コンサート

毎年恒例のシンシナティ・ミュージック・フェスティバル（旧シンシナティ・ジャズ・フェスティバル）が開催され、多くの音楽ファンが集まります。

その他

この規模の会場としては珍しく、毎年春にはクイーンシティ・クラシック・チェス・トーナメントが開催されています。

特徴

ペイコー・スタジアムには、ベンガルズの事務所、トレーニング施設、練習場が併設されています。フィールドはShow SportsTurf社製のMomentum Pro人工芝を使用。3つの練習場のうち、2つは天然芝、1つはAstroTurfの人工芝となっています。

また、シンシナティとケンタッキー州北部からは、地元のバス会社がスタジアムへの往復輸送サービスを提供しています。

スタジアム名と愛称

開場から2022年8月までは、ベンガルズの創設者であり、オーナー兼ヘッドコーチも務めたポール・ブラウンの名前がスタジアム名に使用されていました。彼の功績を称え、長らくその名が冠されていましたが、命名権売却によりペイコー・スタジアムへと改称されました。

スタジアムの愛称は「ザ・ジャングル」として親しまれています。その由来は、トラの生息地であるジャングルを連想させるという説と、ガンズ・アンド・ローゼズの楽曲「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」が1988年のスーパーボウル出場時にスタジアムで頻繁に流れていたという説があります。

ペイコー・スタジアムは、長年にわたりシンシナティのスポーツ文化を支え、多くの人々に愛される存在です。これからも数々のドラマを生み出し、新たな歴史を刻んでいくことでしょう。

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