ペダルレンチ

ペダルレンチは、自転車のペダルをクランクセットに着脱するための専用工具であり、レンチの一種です。ペダルの軸部分には平らな面があり、この部分をペダルレンチの開口部で挟んで回転させることで、ペダルをクランクに取り付けたり、取り外したりします。

ペダルの左右とネジの種類

自転車のペダルには左右があり、左用には「L」、右用には「R」のマークがネジ部分の先端に刻印されています。特に注意が必要なのは、左ペダルのネジが逆ネジである点です。これは、ペダリング中にペダルが緩んで外れるのを防ぐための構造です。右ペダルは通常の正ネジですが、左ペダルは時計回りに回すと緩み、反時計回りに回すと締まります。

ペダルレンチのサイズ

ペダルレンチの開口部のサイズは、ペダルの規格に合わせて15mmと9/16インチ（14.06mm）の2種類があります。多くのペダルレンチは、この両方のサイズに対応していますが、どちらか一方のサイズに特化した製品も存在します。自転車専用工具であるため、一般的なオープンエンドレンチには15mmの規格は存在しません。

ペダルレンチの代用と注意点

ペダルとクランクの隙間に工具を差し込むことができれば、モンキーレンチなどの他の工具でもペダルの着脱を簡易的に行うことができます。特に、輪行時など、荷物を減らしたい場合には、携帯用ペダルレンチやモンキーレンチで済ませる人もいます。しかし、JIS規格で定められた締め付けトルクでペダルを固定することが難しく、走行中にペダルが脱落する危険性も高まります。ペダルは力がかかる部分であるため、脱落は重大な事故につながります。そのため、長い柄でしっかりと締め付けることができるペダルレンチの使用が推奨されます。近年では、携帯性を考慮した薄型で頑丈なペダルレンチも登場しています。

六角レンチ対応のペダル

一部のペダルには、ペダルレンチだけでなく六角レンチでも着脱できるよう、六角穴付きのいもねじ状に工夫されたものがあります。また、ペダルレンチに対応しておらず、六角レンチのみで着脱するタイプのペダルもあります。ペダルを購入する際には、自身のペダルに合った工具を確認することが大切です。

まとめ

ペダルレンチは、自転車のペダルを安全かつ確実に着脱するための必須工具です。ペダルの左右やネジの種類を理解し、適切な工具を使用することで、安全なサイクリングを楽しむことができます。他の工具で代用することも可能ですが、安全性を考慮すると専用のペダルレンチを使用することを推奨します。

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