ペニー・アーケード・エキスポ

ペニー・アーケード・エキスポ（PAX）について

ペニー・アーケード・エキスポ（Penny Arcade Expo, PAX）は、TRPGからコンピュータゲームまで、あらゆるジャンルのゲームを網羅する大規模なゲームイベントです。このイベントは、単なるゲーム展示会ではなく、ゲームファンが心から楽しめる、参加型のエンターテイメント体験を提供することを目指しています。

イベントの成り立ち

PAXは、人気ウェブコミック『ペニー・アーケード』の作者であるジェリー・ホルキンスとマイク・クラフリクが、「ゲームに特化したイベントを開催したい」という熱意から、2004年に初めて開催されました。このイベントは、当初からファン中心のイベントとして企画され、業界関係者による講演会、ゲーム音楽コンサート、パネルディスカッション、様々なゲーム開発会社や販売会社によるブース出展、LANパーティー形式のゲーム大会、そして無料でゲームを試遊できるコーナーなど、多彩なコンテンツが提供されています。

イベントの特徴

PAXの最大の特徴は、その参加型である点です。単にゲームを観るだけでなく、実際にゲームを体験したり、開発者や他のファンと交流したりすることができます。特に、Omegathonという賞金制のゲーム大会は、その年に行われるPAXの最終開催地で、閉会式の一環として決勝戦が行われるため、大きな盛り上がりを見せます。過去には、『テトリス』や『ポン』といった古典的なゲームから、『Halo 3』や『スキー・ボール』といった比較的新しいゲームまで、様々なジャンルのゲームが決勝戦で使用されました。

イベントの歴史

PAXは、2004年8月にワシントン州ベルビューのメイデンバウアー・センターで初めて開催されました。初回の来場者数は約3,300人でしたが、年々規模を拡大し、2006年には19,000人を超える来場者を記録しました。イベントの規模拡大に伴い、2007年には会場をワシントン州会議場に移し、来場者数は39,000人に達しました。その後も来場者数は増加し続け、2009年には60,750人を記録しました。

2010年には、東海岸初となるPAX Eastがマサチューセッツ州ボストンで開催され、52,290人が来場しました。このイベントの成功を受け、ワシントン州で開催されるPAXはPAX Primeと改名されました。2011年には、開発者向けのイベントであるPAX DevがPAX Primeに先駆けて開催され、750人の開発者が参加しました。

その後、PAXは毎年、規模を拡大しながら開催され続けました。2013年には、PAX史上初となるアメリカ国外での開催として、PAX Australiaがオーストラリアのメルボルンで開催されました。

2015年には、テキサス州サンアントニオでPAX Southが初めて開催され、他のPAXイベントの初回開催時よりも多くの来場者数を記録しました。同年、PAX PrimeはPAX Westに改名されました。

2017年には、アナログゲーム専門のイベントであるPAX Unpluggedがフィラデルフィアで開催され、PAXの新たな側面が加わりました。2018年には、PAX EastとPAX Westが初めて4日間連続で開催されました。

2020年には、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響により、PAX AustraliaとPAX Westが中止になりました。その代替として、オンラインイベントであるPAX Onlineが開催され、無料デモの配信などが行われました。

PAXの現在

現在、PAXはシアトル、ボストン、フィラデルフィア、サンアントニオ、メルボルンで毎年開催されています。それぞれの開催地で、様々なゲームファンがゲームを楽しみ、交流を深めています。また、PAXは単なるゲームイベントに留まらず、ゲーム文化の発展とファンコミュニティの形成に貢献しています。

関連イベント

闘会議：日本で開催されるユーザー参加型のゲームイベントで、PAXと同様にアナログゲームとコンピュータゲームの出展が行われています。

外部リンク

PAX公式サイト

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