ペルディッカス

ペルディッカス

ペルディッカス（ギリシア語: Περδίκκας、ラテン文字転記：Perdiccas、? - 紀元前321年または紀元前320年）は、アレクサンドロス3世に仕えた著名なマケドニアの将軍であり、ディアドコイの一人として活躍しました。彼はオレスティスの貴族オロンテスの子で、弟にアルケタスがいます。

アレクサンドロスの下での活動

紀元前335年にアレクサンドロス3世が王位を継ぐと、ペルディッカスは彼の命令に従い、テバイ攻撃に参加しました。この戦闘においてペルディッカスは、敵軍の防御が甘い裏門から攻撃を行い、市内への突入に成功しました。また、後の戦闘では彼が自ら積極的に敵陣に攻撃を仕掛ける姿が記録されていますが、負傷して後方に移される場面もあります。その後、テバイは陥落し、アレクサンドロスの北方の遠征でもペルディッカスは重要な役割を果たしました。

ペルディッカスはグラニコス川、イッソス、ガウガメラといった戦闘にも参加し、重装歩兵部隊の指揮を執りました。ガウガメラの際には著しい負傷を負い、彼の勇敢な行動が評価されたことが記録されています。さらに、アレクサンドロスの東方遠征では、インドにおける征服活動でも軍を指揮し、重要な役割を担いました。

紀元前326年のヒュダスペス川の戦いでは、彼は騎兵部隊を率いて戦闘に臨み、戦後の地域の安定化のために任務を与えられました。ペルディッカスはアレクサンドロスの信任を厚く受けた将軍の一人であり、軍事指揮だけでなく、政治的な側面でも重要な役割を果たしました。

アレクサンドロスの死後の動向

アレクサンドロスの死後、ペルディッカスは彼が臨終に際して渡した印綬の指輪を手に入れました。この出来事は、ペルディッカスが実質的な後継者であることを意味しているとされ、彼はバビロン会議で主導権を握りました。その中で、ロクサネの子の暫定的な後見人として帝国の実権を握りましたが、アリダイオスの支持を受ける勢力との対立も生じました。

その後、カッパドキアへの遠征で現地の王を滅ぼし、権力基盤を固めようとしましたが、競争相手との結婚問題や反発に直面します。最終的にペルディッカスはアレクサンドロス3世の母オリュンピアスに影響され、結婚を巡る選択を誤り、将軍たちとの対立を深めました。

最期と逸話

ペルディッカスはエジプトへの遠征中に渡河に失敗し、兵士たちの反乱によって暗殺される運命を迎えます。このように、彼の生涯は成功と逆境が交錯したものであり、軍事的な知恵と政治的な葛藤に彩られたものでした。アッリアノスの記録によれば、ペルディッカスはその豪胆さから多くの人に称賛された武将であり、勇敢な行動が伝説として語り継がれています。

彼の人生はアレクサンドロス大王の栄光と、その後の分裂の時代を象徴するものであり、マケドニアの歴史の中で重要な位置を占めています。多くの資料に記された彼の功績や逸話は、今なお人々の興味を引き続けています。

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