ペレヤスラヴァ・ダニーロヴナ

ペレヤスラヴァ・ダニーロヴナ：激動の時代を生きた公女

ペレヤスラヴァ・ダニーロヴナは、ガーリチ公ダニールの娘として生まれ、マゾフシェ公シェモヴィト1世と結婚しました。彼女の生涯は、政略結婚、幽閉、夫の死、そして幼い息子の摂政としての役割など、激動の時代を反映しています。

結婚と同盟

1248年、ペレヤスラヴァはシェモヴィト1世と結婚しました。この結婚は、父ダニールとシェモヴィト1世との間の同盟の証であり、ヤトヴャグ族の襲撃に共同で対抗するためのものでした。当時の結婚は、単なる個人的な結びつきではなく、政治的な思惑が絡み合ったものでした。

幽閉

1254年12月、ペレヤスラヴァは予期せぬ事態に見舞われます。シェモヴィト1世の兄弟であるクヤヴィ公カジミェシュ1世は、シェモヴィト1世がドイツ騎士団と同盟を結んだことを懸念し、兵を率いてシェモヴィト1世の領地に侵攻。シュチェパヌフの聖スタニスラウスの祝いでクラクフから帰還するシェモヴィト1世とペレヤスラヴァを捕らえ、シェラツの城に幽閉したのです。翌年、ボレスワフ5世純潔公らの調停により、グダニスク公シフィエントペウク2世に対する戦でカジミェシュ1世を支援することを条件に解放されました。

夫の死と摂政

1262年6月、ペレヤスラヴァは更なる悲劇に見舞われます。リトアニア大公ミンダウガスの軍勢が、夫シェモヴィト1世と息子コンラトが滞在していたウヤスドゥフ城を攻略。シェモヴィト1世は、内通者の引き起こした混乱の中で殺害されました。一説には、この内通にはペレヤスラヴァの兄弟であるシュヴァルンが関与していたとも言われています。コンラトは捕虜としてリトアニア大公国へ護送され（1264年に解放）、マゾフシェ公の地位は、ペレヤスラヴァのもう一人の息子である、まだ若年のボレスラフが継承しました。ペレヤスラヴァは、夫の同盟者であったヴィエルコポルスカ公ボレスワフと共に摂政を務め、幼い息子を支えながら、国を統治しました。

子女

ペレヤスラヴァは、以下の子供たちをもうけました。

コンラト2世(ru)（1250年頃 - 1294年6月23日/10月21日）：マゾフシェ公
ボレスワフ2世(ru)（1251年以降 - 1313年4月20日）：マゾフシェ公
サロメア：修道女

ペレヤスラヴァ・ダニーロヴナは、激動の時代を生き抜き、困難な状況の中で、家族と領地を守り抜いた強い女性でした。彼女の生涯は、中世ヨーロッパの政治情勢や、女性の役割について考える上で、貴重な視点を与えてくれます。

参考文献

Siemowit I Mazowiecki // poczet.com
Ziemowit I Piast // roglo.eu
Kazimierz Jasiński: Rodowód Piastów małopolskich i kujawskich. Wydawnictwo Historyczne. 2001
* Cawley, Charles, POLAND, Medieval Lands, Foundation for Medieval Genealogy

もう一度検索