ホアキン・ソローリャ

ホアキン・ソローリャ・イ・バスティダ

ホアキン・ソローリャ・イ・バスティダ（1863年2月27日 - 1923年8月10日）は、スペイン出身の著名な画家であり、彼の作品は主に肖像画や風景画、さらには社会的なテーマや歴史的な描写が含まれています。バレンシアで生まれ育ち、彼の作品には故郷の明るい日差しのもとで描かれた素朴な人々と風景が色濃く現れています。また、太陽の光を受けた水の表現も特筆すべき点です。

現在、マドリードのサラマンカ区にはソローリャ美術館が設けられ、ここには彼が生涯を通じて制作した数々の作品が展示されています。この美術館は1910年に建設された彼自身の家であり、当時のアトリエの雰囲気をそのまま残しています。

略歴

ホアキン・ソローリャはバレンシアで、まだ幼い2歳の時に両親をコレラで失い、母の妹の家族によって育てられました。彼の叔母の夫は錠前職人であり、彼は工芸学校で学びましたが、その絵画の才能が認められ、バレンシアの王立美術学校での学びのチャンスを得ることができました。

美術学校を卒業し、兵役を経てマドリードへ移り、プラド美術館の巨匠たちの作品を模写することによりさらに技術を磨きました。彼の才能は地元の展覧会で評価され、1885年には州からの奨学金を受けてローマへと留学します。ここで彼は、スペイン政府が設立した美術学校でフランシスコ・プラディージャ・オルティスに学び、同年にフランスを訪れ、印象派の影響を受けることとなりました。

その後、彼は結婚し、イタリアで活動した後に1889年にマドリードに戻ると、その才能は瞬く間に認められ、多くの展覧会で数々の名声を勝ち取りました。1893年からはパリにてフランス芸術家協会の展覧会にも出展し、何度も賞を受賞し、作品がフランス政府に買い上げられることもありました。

1900年にはパリ万国博覧会で入賞し、さらにフランス政府からレジオンドヌール勲章（シュヴァリエ）を授与される程の評価を受けました。彼の活動はアメリカにも広がり、1909年にはニューヨークで展覧会を開き、その反響は非常に大きかったです。特に、ニューヨークの「The Hispanic Society of America」では壁画を手がけ、多くの重要な著名人の肖像画を制作したことでも広く知られています。

ソローリャの作風は、特に彼の故郷であるバレンシアの自然光を巧みに捉え、柔らかな色彩やダイナミックな構図で表現されており、彼の芸術が時代を超えて今なお多くの人々に愛され続ける理由と言えるでしょう。

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