ホアキン・ロドリゲス

ホアキン・ロドリゲス：激坂を制したスペインのクライマー

ホアキン・ロドリゲス・オリベル（Joaquim Rodríguez Oliver）は、1979年5月12日、スペイン・カタルーニャ州バルセロナに生まれました。2001年にプロデビューして以来、数々のロードレースで輝かしい成績を残し、特に急勾配の短い上り坂での爆発的な強さから「激坂男」として知られています。

プロとしての軌跡

2001年、オンセ・エロスキでプロとしてのキャリアをスタートさせました。2003年には、パリ〜ニースでワールドツアー初優勝を飾り、同年ブエルタ・ア・エスパーニャでグランツール初勝利を挙げました。その後、サウニエル・ドゥバル＝プロディール、ケス・デパーニュを経て、2010年にチーム・カチューシャへ移籍。

2010年のブエルタ・ア・エスパーニャでは、第14ステージで勝利し、一時は総合首位に立ちましたが、個人タイムトライアルでの失速により総合優勝を逃しました。しかし、2位のエセキエル・モスケラのドーピング違反により、最終的に総合3位に繰り上がりました。また、この年にはUCIワールドランキングで総合優勝を果たしています。

2012年のジロ・デ・イタリアでは、最終ステージの個人タイムトライアルで逆転され、総合2位。同年、ブエルタ・ア・エスパーニャでは、長期間総合首位を維持しましたが、最終的に総合3位となりました。

2016年には、一度現役引退を発表しましたが、後に撤回。バーレーン・メリダに加入し、2017年シーズンも現役選手として走りましたが、再び引退を表明し、プロ生活に幕を下ろしました。

プレースタイルと特徴

ホアキン・ロドリゲスは、選手生活をクリーンに貫いた数少ない選手の一人として知られています。年間ランキング1位を3度獲得するなど、常に安定した成績を残し、その実力は高く評価されています。

愛称は「プリト（小さな葉巻）」。これは、プロになりたての頃、先輩ライダーたちが苦労する坂を軽々とクリアしていく姿が、タバコを吸う仕草に似ていたことに由来します。特に、急勾配の短い上り坂での爆発的な強さは特筆もので、「激坂男」の異名を取りました。

グラン・ツールでは、総合トップ10に11回入り、そのうち表彰台は5回。2度の2位と、総合優勝にはあと一歩届きませんでしたが、記憶に残る名選手として、多くのファンを魅了しました。

主な戦績

2003年：パリ〜ニース 区間優勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ 区間優勝
2004年：セトマナ・カタラナ 総合優勝
2007年：スペイン選手権 個人ロードレース 優勝
2010年：カタルーニャ一周 総合優勝、UCIワールドランキング 総合優勝
2012年：フレッシュ・ワロンヌ 優勝、ジロ・ディ・ロンバルディア 優勝、UCIワールドツアー 総合優勝
2013年：ジロ・ディ・ロンバルディア 優勝、UCIワールドツアー 総合優勝
2014年：カタルーニャ一周 総合優勝
2015年：バスク一周 総合優勝

ホアキン・ロドリゲスは、そのクライミング能力と安定した実力で、ロードレース界に名を刻んだ偉大な選手です。彼の激坂でのアタックは、多くのファンを魅了し、記憶に残る名シーンとして語り継がれています。

もう一度検索