ホイール (自転車)

自転車ホイールの構造と種類

自転車のホイールは、車輪全体を指すことが一般的ですが、専門的にはタイヤを除いた部分を指します。ホイールは、大きく分けてハブ、スポーク、ニップル、リムの4つの主要部品から構成されています。それぞれの部品の役割と種類について詳しく見ていきましょう。

1. ハブ

ハブはホイールの心臓部と言える、車軸を支える円筒状の部品です。車輪の中心に位置し、ベアリングによって車軸の回転をスムーズにします。後輪ハブには、ギア（歯車）が取り付けられており、ペダルからの動力を後輪に伝達します。ハブの両端にはフランジと呼ばれる円盤状の部品があり、スポークがここに固定されます。

2. スポーク

スポークは、ハブとリムを繋ぐ多数の棒状の部品です。ハブフランジに固定された一端は鉤型に曲がっており、もう一端はニップルを介してリムに固定されます。スポークの太さは、一般的には均一ですが、軽量化や空気抵抗軽減のために、中央部を細くしたり平たく加工された特殊なスポークも存在します。スポークの張力（テンション）は、ニップルを調整することで変化させることができます。

3. ニップル

ニップルは、スポークとリムを接続する小さなナットです。スポークレンチを使用してニップルを回転させることで、スポークの張力を調整し、ホイールの精度を保ちます。一般的にはリム側に取り付けられますが、重量バランスを調整するためにハブ側に取り付けられる場合もあります。素材は真鍮が一般的ですが、軽量で着色可能なアルミニップルも広く使われています。

4. リム

リムはホイールの外周を構成するリング状の部品で、スポークとタイヤを接続します。主に鉄やアルミ合金が使用されますが、カーボンファイバーや木製のものもあります。リムには、チューブラー、クリンチャー、チューブレスの3種類があります。

チューブラーリム: タイヤを接着剤で固定するタイプで、軽量で乗り心地が良いとされています。
クリンチャーリム: タイヤビードをリムのフックで固定するタイプで、最も一般的な種類です。ワイヤードオン(WO)、フックドエッジ(HE)、ビーデッドエッジ(BE)などがあります。
チューブレスリム: チューブレスタイヤ専用のリムで、空気圧を高く保ち、パンクしにくいというメリットがあります。

5. ホイールの手組みと完組み

ホイールは、手組みと完組みの2つの方法で作られます。

手組みホイール: ハブ、スポーク、リムを組み合わせて作るホイールで、ユーザーの好みに合わせてパーツを選ぶことができます。専門的な知識と技術が必要ですが、修理やメンテナンスが容易です。
完組みホイール: メーカーが完成させたホイールで、高精度で特定の用途に最適化された設計が可能です。しかし、修理やメンテナンスはメーカーに依存する場合があり、難易度が高い場合もあります。

6. 特殊ホイール

空気抵抗を低減したり、特定の用途に特化した特殊なホイールも存在します。

ディスクホイール: スポークの代わりに円盤状の部品を使用することで空気抵抗を大幅に低減します。横風には弱いため、後輪にのみ使用されることが多いです。
* バトンホイール: 少ない本数の太いスポークを持つホイールで、空気抵抗と横風への影響を軽減します。スポークとリムは一体成型されているため、張力の調整は不要です。

7. 主なメーカー

カーボンホイールで有名なICANなど、多くのメーカーが自転車ホイールを製造しています。

この情報が、自転車ホイールの理解に役立つことを願っています。

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