ホエーブス (ストーブ)

ホエーブス（Phoebus）

ホエーブスは、オーストリアのヨーゼフ・ローゼンタール金物製作所によって1920年代から1992年まで生産されていたキャンプ用のストーブおよびランタンのブランドです。この製品群は、登山やアウトドア活動に特化しており、主にホワイトガソリンや灯油を燃料として使用していました。特に多くの山岳部で活躍していたため、登山者から高い評価を受けていました。1992年に生産が終了しましたが、その後榮製機により復刻されることで再び注目を浴びることとなります。

歴史的背景

ホエーブスの製品は、1920年代からオーストリア陸軍の要請に応じて登山用ストーブやランタンが生産され、販売されていました。特に、第二次世界大戦中の1930年代後半には、ウィーンが陥落しドイツに併合される過程で一部製品がドイツ製となり、「ジャーマン・ホエーブス」としてコレクターズアイテムとして珍重されたのが特徴です。

これらの製品は、その信頼性とメンテナンスのしやすさから多くのユーザーに支持されていました。作りが堅牢であり、長期間にわたって高い性能を維持していたため、アウトドア愛好者の間で広く使用されることとなりました。残念ながら1992年には生産が終了されましたが、その品質の高さと独自性から多くのファンに愛され続けています。

使用方法

例えば、ホエーブス No.625の場合、使用前には燃料タンクをポンプで加圧する必要があります。その後、タンク中央に固形燃料やアルコールを置いてプレヒートし、燃料を気化させます。気化が成功すると、ノズルから燃料が噴出し、ライターやマッチで点火します。この際、十分な予熱が行われていないと燃料が気化せず、液体燃料が噴射して炎が不安定となる危険があります。そのため安全な使用方法を常に守ることが重要です。

使用時の注意

ホエーブス製品は非常に便利である一方、使用時には多くの注意点があります。例えば、予熱が不十分だと燃料が適切に気化できず、液体状態の燃料が噴出して炎が上がる危険があります。また、テント内での使用は一酸化炭素中毒や火災の危険が伴うため、絶対に避けるべきです。使用する際は、周囲に可燃物が周囲にないことを確認し、風向きにも注意を払いながら安全な場所で使用することが求められます。

主な製品ラインアップ

ホエーブスのストーブには、以下のような特色ある製品があります。

• - No.625: タンク容量が大きいポンプ加圧型ストーブ。灯油バージョンの625Pも存在し、サイレントバーナーとして、通称「大ブス」と呼ばれています。
• - No.725: 小型の自然加圧型ストーブで、特有の燃焼音を持つ通称「小ブス」。
• - No.225: 箱型のガソリンストーブで、渋いデザインが特徴的です。通称「箱ブス・シロ」。
• - No.525: 箱型の灯油ストーブで、緑掛かったデザイン。通称「箱ブス・ケロ」。

ランタンも多彩なラインナップがあり、特に人気のあるモデルは次のとおりです。

• - No.611: 小型のガソリンランタン。
• - No.615: 小型の灯油ランタン。
• - No.621: 中型のツーバルブガソリンランタン。
• - No.635: 中型灯油ランタン。
• - No.645 & No.665: 大型灯油ランタン。

これらの製品の箱には、古いタイプは丸い黄色い金属缶、旧製品は角型の金属缶という特徴がありました。1999年に復刻された際、タンクはステンレス製に改良されています。ホエーブスの製品はその質の高さから、各国でコピーモデルが作られるほどの人気を誇りました。赤い鉄製だったため、錆びやすい性質があるものの、その後の進化で耐久性も向上しています。

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