ホットスパー (コンビニエンスストア)

ホットスパー (HOT SPAR)

ホットスパーは、日本国内でかつて展開されていたコンビニエンスストアチェーンである。1985年に関東地域にて初めて店舗が開業され、その後全国各地に広がる組織として成長した。このブランドは、世界最大の食品小売チェーンであるスパーに属し、日本独自の展開を特色としていた。

歴史の始まり

ホットスパーの母体となった全日本スパーグループは1977年に設立された。当初はボランタリーチェーンとして、生鮮食品中心の小型スーパーマーケットを展開していたが、その後一部業者によりコンビニエンスストア業態も導入された。1985年に関東地域スパー本部が初めて「ホットスパー」という名称を使用して、コンビニエンスストア業態の店舗を開業したのが、同ブランドの始まりである。

その後、他の地域本部もこの業態に参加し、日本独自のコンビニエンスストアブランドとして成長を遂げることになる。また、海外では「SPAR Express」として、よりスタンダード化された形での展開が行われていた。

発展と店舗数の増加

1986年には沖縄での1号店がオープンし、続いて東北や長野などでも展開が進み、1993年には加盟店売上高が60億円に達するなど順調な成長を見せた。特に、1996年にはコンビニエンスストア業態の店舗数が2260店を超え、スパー全体の78.3%を占めるまでになった。

課題と競争環境

しかし、ホットスパーは大都市圏での競争に苦しむこととなる。首都圏や中京圏では、他の大手チェーンに対して知名度が低く、店舗展開が進まなかった。また、1996年にはカスミコンビニエンスネットワークがオーナーからの訴訟問題から打撃を受け、以降は店舗数が減少に転じていった。

1998年には、閉店数が新規出店を上回り、ついには赤字に陥る事態となった。2000年代には不採算店が相次いで閉店し、店舗数が減少する中で業務提携や他チェーンへの営業譲渡が行われるようになった。

終焉

2007年には、ホットスパーコンビニエンスネットワークが店舗名をすべてココストアに変更することを発表し、ついに2008年に全日本スパー本部からも脱会することとなった。これにより、日本国内におけるホットスパーブランドは完全に消滅し、2009年にはスパー事業が事実上終了した。

ホットスパーの存在は、当時の日本のコンビニエンスストア業界において、一つの重要な役割を果たしたが、その後の競争環境の変化に適応できず、消滅という結果となった。日本のコンビニ文化において、今や歴史の一部として語られる存在となっている。

もう一度検索