ホット・チップ

ホット・チップとは

ホット・チップ（Hot Chip）は、イギリスの首都ロンドンで結成されたエレクトロ・ポップ・グループです。彼らの音楽性は、独創的なリズムパターンを多用し、アンダーグラウンドな雰囲気を纏ったダンスミュージックを基盤としています。ポップでありながらも実験的な要素を併せ持つユニークなサウンドで知られ、その影響源としては、実験的な音作りのパイオニアであるクラフトワークや、複雑なコーラスワークで知られるザ・ビーチ・ボーイズといった、多様なアーティストを挙げています。

活動の軌跡

バンドは1995年にその歩みを始めました。当初は自主制作盤を発表し、特に『Mexico EP』などが一部で注目を集める存在となります。この初期の活動が評価され、2003年にはモシモシ・レコーズとの契約に至ります。そして、翌2004年には記念すべきファースト・アルバム『Coming on Strong』をリリース。この作品で提示された唯一無二の音楽スタイルは、母国イギリスで急速に評判を高め、大手レーベルであるEMIへの移籍という飛躍へと繋がります。このメジャー移籍期には、現在のラインナップにおいて重要な役割を担うアル・ドイル（ギター）とフェリックス・マーティン（ドラムマシン）がメンバーに加わりました。

2006年には、EMI移籍後初のセカンド・アルバム『ザ・ワーニング』（The Warning）を発表します。このアルバムからは、シングル「Over And Over」と「Boy from School」が大きな話題を呼び、バンドの代表曲となりました。『ザ・ワーニング』は音楽メディアから絶賛され、同年の権威あるマーキュリー賞の最終候補にも選出されるなど、評論家筋からも高い評価を獲得しました。また、「Over And Over」は2006年のNMEソング･オブ･ザ･イヤーに輝いています。

続く2008年には、サード・アルバム『メイド・イン・ザ・ダーク』（Made in the Dark）をリリース。前作に引き続き、この作品も音楽評論家たちから軒並み高い評価を受け、ホット・チップの尽きることない創造性の豊かさを改めて証明する結果となりました。このアルバムからも、セカンド・シングルとしてリリースされた「Ready for the Floor」がヒットを記録しています。

2010年にリリースされたアルバム『ワン・ライフ・スタンド』（One Life Stand）は、全英アルバムチャートで初登場11位をマークし、彼らの人気が確固たるものとなったことを示しました。この時期、メンバーは自身のサイド・プロジェクトにも積極的に取り組みます。アレクシス・テイラーはAbout Group、ジョー・ゴッダードはThe 2 Bears、オーウェン・クラークはNewBuildといったプロジェクトで、それぞれの音楽的探求を進めました。

2012年には、新たな展開としてドミノ・レコーズへ移籍し、移籍後第一弾となるアルバム『イン・アワー・ヘッズ』（In Our Heads）を発表しました。その後も、コンスタントに作品をリリースし、2015年には『ホワイ・メイク・センス?』（Why Make Sense?）、2019年には『ア・バス・フル・オブ・エクスタシー』（A Bath Full of Ecstasy）を発表。そして、2022年には最新作となる『フリークアウト / リリース』（Freakout/Release）をリリースするなど、現在も精力的に活動を続けています。

メンバー

現在の主要メンバーは以下の通りです。

アレクシス・テイラー (Alexis Taylor) - 主にボーカルとキーボードを担当
ジョー・ゴッダード (Joe Goddard) - シンセサイザーやプログラミング、ボーカルを担当
オーウェン・クラーク (Owen Clarke) - ベースを担当
アル・ドイル (Al Doyle) - ギターを担当
フェリックス・マーティン (Felix Martin) - ドラムマシンやパーカッションを担当

日本での公演歴

ホット・チップはこれまで何度か日本を訪れ、ライブパフォーマンスを行っています。

2010年：フジロック・フェスティバルに出演。
2012年：Hostess Club Weekenderにて公演。
2019年：大阪と東京で単独公演を実施（朝霧JAMは開催中止）。

彼らのライブは、スタジオ作品の緻密さに加えて、熱気あふれるダンスフロアを生み出すことで定評があります。革新的なサウンドと独自のパフォーマンスで、ホット・チップはエレクトロ・ポップシーンにおいて確固たる地位を築き、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。

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