ホテルハマツ

概要

ホテルハマツは、福島県郡山市虎丸町に所在する宿泊施設です。かつてはホテルオークラチェーンの一員であり、福島県内でも有数の高級ホテルとしてその名を知られていました。特に、皇太子殿下（当時）や秋篠宮殿下、常陸宮殿下といった皇族の方々が福島県を訪問された際に宿泊されるなど、格式高い実績を有していました。地元テレビ局である福島テレビや福島中央テレビでは積極的にテレビCMを放映しており、「はまつちゃん」という親しみやすいマスコットキャラクターも存在し、地域住民に広く認知されていました。しかし、2003年（平成15年）8月には約122億円という多額の負債を抱え、民事再生法の適用を申請するに至りました。その結果、翌年には小山市の小山観光開発株式会社に営業が譲渡され、創業者の手を離れることとなりました。

歴史

ホテルハマツの歴史は、1953年（昭和28年）に貸衣装店「濱津衣装店」として創業したことに始まります。当初は衣装事業からスタートしましたが、徐々に事業を拡大し、冠婚葬祭分野に進出。「会津平安閣」や「はまつ典礼」といった施設を展開し、地域での事業基盤を固めていきました。ホテル事業への参入は、1991年（平成3年）5月のこと。郡山ザベリオ学園が郊外へ移転した跡地に、満を持してホテルハマツが開業しました。その建築の質の高さは評価され、1993年（平成5年）には第12回福島県建築文化賞の特別賞を受賞しています。

しかし、事業拡大の裏で経営は厳しさを増し、2003年（平成15年）8月には民事再生法の適用を申請、同年9月より民事再生手続きが開始されました。経営再建のため、2004年（平成16年）7月にはホテルの営業権が「はまつグループ」から小山観光開発株式会社に譲渡されます。同年8月にはホテルの現経営会社であるハマツ観光株式会社が設立され、10月には営業を再開しました。この際に、長年にわたり加盟していたホテルオークラチェーンとの契約が終了し、同チェーンを脱退しています。ホテル事業以外の冠婚葬祭部門なども再編され、2005年（平成17年）1月には、はまつグループが経営していた平安閣や斎場などの施設が、ライフアンサージ（アルファクラブ系列）へ営業譲渡されました。

その後も、ホテルハマツは地域の中核施設として営業を続けていましたが、近年に至り複数の困難に直面します。2020年（令和2年）3月には、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、一時的に宿泊客の受け入れを休止せざるを得ない状況となりました。さらに、2021年（令和3年）2月には福島県沖で発生した大きな地震により被災し、建物に損傷を受けました。復旧作業が進められましたが、翌年の2022年（令和4年）3月には、復旧作業が完了したばかりのタイミングで再び福島県沖地震に見舞われ、重ねて被災するという事態が発生しました。この二度にわたる地震からの本格的な復旧作業は翌年まで続きました。

付属施設

ホテルハマツは、宿泊機能に加えて多岐にわたる付属施設を備えています。最大1,000名規模のイベントや会議に対応可能なコンベンションホールは、大規模な催事の拠点となります。また、文化的な空間としてギャラリーや本格的な茶室があり、特別な日のための写真スタジオやヘアサロンも利用できます。健康維持やリフレッシュに最適なプールを備えたヘルスクラブや、華やかなフラワーショップ、洗練されたアクセサリーショップなども館内にあります。飲食施設としては、複数のレストランやバーを設け、様々なニーズに対応しています。

交通

鉄道を利用する場合、JR東北新幹線停車駅である郡山駅からのアクセスが便利です。郡山駅西口バスターミナル9番ポールから出発する福島交通バスの市役所経由の路線に乗車し、「虎丸」停留所で下車するとすぐです。徒歩の場合は、郡山駅西口から駅前大通りを直進し、約15分でホテルに到着します。車でのアクセスは、東北自動車道郡山インターチェンジから約15分。さくら通り沿いに位置しており、比較的容易にたどり着けます。

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