ホテル・エルロワイヤル

ホテル・エルロワイヤル：過去と現在の影が交錯するミステリアスな一夜

1969年、カリフォルニア州とネバダ州の境に位置する老朽化したホテル「エルロワイヤル」。この一見普通のホテルに、7人の男女がそれぞれの目的で宿泊する。一見何の関係も無さそうな彼らだが、実はそれぞれが暗い過去や重大な秘密を抱えていた。

神父、歌手、セールスマン、女優とその妹、そして謎めいた男女。彼らはホテルという密室で出会い、それぞれの思惑が交錯していく。やがて明らかになるのは、彼らの隠された過去と、ホテル自体にまつわる衝撃的な真実。

個性豊かな登場人物たち

ジェフ・ブリッジス演じるダニエル・フリン神父は、過去の罪悪感に苦しむ人物。シンシア・エリヴォ演じるダリーン・スウィートは、才能あふれる歌手だが、複雑な事情を抱えている。ダコタ・ジョンソン演じるエミリー・サマースプリングは、過去に辛い経験をした女性で、妹であるローズ（ケイリー・スピーニー）と共にホテルを訪れる。ジョン・ハム演じるララミー・シーモア・サリヴァンは、何をたくらむのか分からない謎めいた男。さらに、クリス・ヘムズワース演じるビリー・リーやその他の登場人物たちが物語に複雑さを加える。

巧みな演出とサスペンス

監督ドリュー・ゴダードは、それぞれの登場人物の視点と、過去と現在を行き来する構成で物語を展開。観客は、次第に明らかになる真実と共に、それぞれのキャラクターの複雑な心理状態を深く理解していく。

映画全体に漂うサスペンスとミステリアスな雰囲気は、老朽化したホテルの独特な空間と相まって、観る者を物語に引き込む。また、音楽にも力を入れており、シンシア・エリヴォの歌声は映画の重要な要素の一つ。

製作過程と公開

2017年に製作が開始され、豪華キャスト陣の参加が話題を呼んだ。撮影はカナダのバンクーバーで行われ、音楽はマイケル・ジアッチーノが担当。公開に先駆け、ティーザー・トレーラーやオフィシャル・トレーラーが公開され、期待感が高まった。アメリカでは2018年10月に公開され、批評家からも高い評価を得た。日本では劇場公開はされなかったものの、デジタル配信とDVD/ブルーレイがリリースされた。

音楽へのこだわり

映画音楽は、時代感を反映した選曲とシンシア・エリヴォの素晴らしい歌唱が魅力。劇中歌は、ストーリーに深みと情感を与え、時代背景をより鮮やかに彩っている。

批評家の評価

Rotten Tomatoesでは批評家支持率75%と高評価を得ている。スタイリッシュな演出と豪華キャスト陣の演技、そして巧みに描かれたミステリー要素が、多くの批評家から賞賛された。社会風刺も織り込まれた、エンターテインメント性の高い作品として評価されている。

まとめ

『ホテル・エルロワイヤル』は、豪華キャスト、ミステリアスなストーリー、そして時代感を漂わせる音楽が融合した、見応えのある作品。それぞれの登場人物の秘密が明らかになるにつれて、緊迫感と驚きが最高潮に達する展開は、観る者を最後まで飽きさせないだろう。一度見たら忘れられない、衝撃的なラストシーンにも注目だ。

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