ホドロフスキーのDUNE

ホドロフスキーのDUNE：SF映画史に残る幻のプロジェクト

2013年公開のアメリカ合衆国制作ドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』（原題：Jodorowsky's Dune）は、SF小説の金字塔『デューン』を映画化しようと試みた、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の壮大なプロジェクトとその挫折を描いた作品です。監督はフランク・パヴィッチ。

ホドロフスキーは、フランク・ハーバートのSF小説『デューン』に惚れ込み、独自の解釈で映画化に着手します。彼の構想は並外れたものでした。当時としては想像を絶する革新的な映像表現、実験的な演出、そして豪華なスタッフ陣。

夢のチーム

ホドロフスキー監督のもとには、錚々たるアーティストたちが集結しました。

美術デザイン: H・R・ギーガー（『エイリアン』のデザインで知られる）
宇宙船デザイン: クリス・フォス
音楽: マグマ（フランスのプログレッシブ・ロックバンド）
特殊効果: ダン・オバノン（『エイリアン』の特殊効果を担当）
絵コンテ、キャラクターデザイン: ジャン・ジロー（メビウス）

さらに、キャスティングも豪華でした。

ポール・アトレイデス: ブロンティス・ホドロフスキー（監督の息子）
イルーラン姫: アマンダ・リア（サルバドール・ダリの当時の愛人）
ハルコンネン男爵: オーソン・ウェルズ
銀河帝国の皇帝: サルバドール・ダリ
ファイド・ラウサ: ミック・ジャガー

これらの才能が集結し、絵コンテ、デザイン画、膨大な資料、テスト撮影などの成果が作成されました。しかし、莫大な資金が必要なこのプロジェクトは、ついに頓挫します。

挫折と未来への影響

『ホドロフスキーのDUNE』では、このプロジェクトがなぜ中止せざるを得なかったのか、その過程における困難や葛藤、そして関係者たちの思いが丁寧に描かれています。しかし、この未完成作品は、後の多くのSF映画、特に『スター・ウォーズ』や『エイリアン』などに大きな影響を与えたことは間違いありません。

映画には、ホドロフスキー本人をはじめ、プロデューサーのミシェル・セドゥ、現代の映画監督であるニコラス・ウィンディング・レフンやリチャード・スタンリー、映画評論家のデヴィン・ファラチやドリュー・マクウィーニーなど、多くの関係者や専門家のインタビューが収録されており、プロジェクトの全貌を多角的に理解できます。また、制作中止後にダグラス・トランブルが特撮監督候補として検討されていたことも明らかになっています。

ドキュメンタリーを通して、私たちは、創造の情熱と、それを阻む現実の壁との間で揺れ動く人間の姿を見ることになります。そして、映画製作という行為の奥深さ、そして『デューン』という作品が持つ、時代を超えた魅力を改めて認識させられるでしょう。この作品は、映画ファンのみならず、芸術、創作活動に関わるすべての人々にとって、刺激と感動を与えてくれることでしょう。

関連情報

原作：デューン（フランク・ハーバート）
監督：アレハンドロ・ホドロフスキー
出演：オーソン・ウェルズ、サルバドール・ダリ、ミック・ジャガー、他多数
公式ウェブサイト（英語）：[公式ウェブサイトのリンクをここに挿入]
* 日本の配給会社による公式サイト：[公式サイトのリンクをここに挿入]

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