ホルムル

ホルムルの遺跡とその歴史

ホルムル（Holmul）は、グアテマラのペテン県東部に位置する古代マヤの遺跡です。この遺跡はホルムル川の岸にあり、ベリーズとの国境にも近い場所に存在しています。ホルムルは、数多くの神殿、天文観測所、球戯場などの重要な建造物を擁しているものの、現在は復元作業が行われていないため、観光客にとっては直接的な見どころが少ないのが現状です。

ホルムルの発掘は1910年から翌年にかけて、ピーボディ考古学・民族学博物館のメンバーであるレイモンド・マーウィンの指導の下で行われました。この発掘作業により、初めてマヤの土器の年代が整理されることになりました。

特に、ホルムルからはI期からV期にかけての土器が発見され、その中でもI期は先古典期後期（西暦150-250年ごろ）に属し、V期は古典期後期に当たります。ホルムルのV期の彩色土器には、さまざまな都市の支配者層の墓からの発見が含まれており、特に古典期後期の土器に施された『踊る人』の図像は、ホルムル・ダンサーとして知られています。

2000年以降、フランシスコ・エストラーダ・ベリによってホルムルとその周辺地域における発掘調査が進められ、紀元前1000年にさかのぼる土器も発見されました。その結果、ホルムル地区における歴史的な背景や文化的な根源について新たな知見が得られています。

2013年には全長8メートル、高さ2メートルの魅力的なフリーズが発見され、このフリーズはホルムルが蛇王国（カラクムル）に従属していたことを明らかにしました。このことは、ホルムルが古代マヤの政治的なネットワークの中で重要な役割を果たしていたことを示唆しています。遺跡内での発見からは、多面的な歴史と文化が読み取れ、今後の研究が待たれます。

ホルムルは、その建造物や土器を通じて、古代マヤ文明の社会構造や文化的交流を考察する上で欠かせない地点となっています。今後の発掘や研究が進むことで、さらに多くの歴史的な情報が明らかになることが期待されています。

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