ホワット・ア・フール・ビリーヴス

ホワット・ア・フール・ビリーヴス (What a Fool Believes)

ケニー・ロギンスとマイケル・マクドナルドによって共作されたこの楽曲は、1978年にケニー・ロギンスのソロ・アルバム『ナイトウォッチ』で初めて発表されました。同年には、マイケル・マクドナルドが所属していたドゥービー・ブラザーズもアルバム『ミニット・バイ・ミニット』でこの曲をリリースし、広く知られるようになりました。

2つのバージョン

ケニー・ロギンスのバージョン

このバージョンは、マイケル・マクドナルドが楽曲の原型を作り、彼の自宅を訪れたケニー・ロギンスのアイデアによってブリッジ部分が完成しました。シングルカットはされなかったものの、ロギンスはライブで頻繁にこの曲を披露し、ライブ・アルバム『アライヴ』（1980年）や『アウトサイド:フロム・ザ・レッドウッズ』（1993年）にも収録されています。

ドゥービー・ブラザーズによるバージョンは、ディスコとブルー・アイド・ソウルの要素を取り入れたサウンドで、チャートを駆け上がりました。アルバム『ミニット・バイ・ミニット』のレコーディング中、プロデューサーのテッド・テンプルマンは曲に「柔和な感触が必要だ」と考え、パーカッション演奏で参加しています。また、マイケル・ジャクソンがバックグラウンド・ボーカルでゲスト参加したという噂もありましたが、パトリック・シモンズによれば、マイケルはセッションのリハーサルを見学しただけで、レコーディングには参加していないとのことです。

1979年にはシングルとしてリリースされ、Billboard Hot 100で自身2度目、そして「ブラック・ウォーター」以来4年ぶりの1位を獲得しました。さらに、『ビルボード』のダンス・ミュージック/クラブ・プレイ・シングル・チャートでは40位、R&Bシングル・チャートでは72位を記録。第22回グラミー賞では、主要部門である最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞の2部門を受賞しました。テッド・テンプルマンはドラマーとしてもこの楽曲に参加しています。

ニュージーランドのシングル・チャートでは14週連続でトップ50入りを果たし、そのうち2週間は5位を記録しました。イギリスでは、オリジナル・リリース時に全英シングルチャートで31位を記録し、1987年にも57位に再浮上しています。

ドゥービー・ブラザーズのバージョンは、映画『マイ・ライバル』（1982年公開）や『恋のためらい/フランキーとジョニー|恋のためらい_フランキーとジョニー』（1991年公開）のサウンドトラックにも使用されました。また、コンピュータゲームの分野では、グランド・セフト・オートV（2013年）のサウンドトラックにも採用されています。

2014年にドゥービー・ブラザーズが発表したアルバム『サウスバウンド』には、サラ・エヴァンスをゲストに迎えたセルフ・カバーバージョンが収録されています。

『ローリング・ストーン』誌が選ぶ最も偉大な500曲では、343位にランクインしています。

他のアーティストによるカバー

この楽曲は、数多くのアーティストによってカバーされています。

ディオンヌ・ワーウィック: アルバム『ディオンヌ・シングス・ディオンヌ2』(2000年)に収録。後のアルバム『She Is Back』（2019年）にも再収録。
アレサ・フランクリン: アリスタ・レコード移籍後初のアルバム『アレサ』（1980年）でカバー。シングルカットもされ、全英シングルチャートで46位を記録。
マット・ビアンコ: アルバム『サンバ・イン・ユア・カーサ』（1991年）に収録。
セルフ: アルバム『ギズモジェリー』（2000年）に収録。
Baby Boo: シングル「月が揺れる空の下で」（2002年）及びカバー・アルバムに収録。
キャロル・ウェルスマン: アルバム『Carol Welsman』（2007年）に収録。
* UNCHAIN: カバー・アルバム『Love & Groove Delivery』（2013年）に収録。

「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」は、時代を超えて愛される名曲として、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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