ホンダ・ウェーブ

ホンダWaveシリーズ：世界を駆け巡るロングセラーバイク

ホンダの自動二輪車「Wave」シリーズは、1997年にタイで初めて発売されて以来、東南アジアを中心に世界中で愛され続けているロングセラーモデルです。その人気は、累計販売台数1500万台以上という驚異的な数字に裏付けられています。本記事では、「Wave」シリーズの歴史、各国の仕様、派生モデルなどを詳しく解説します。

開発の経緯

ホンダは、タイでの「Dream」シリーズの成功を受け、より現代的なデザインと機能を備えた新たなモデルの開発に着手しました。従来の鋼板プレス製車体から鋼管製車体へと変更することでデザインの自由度を高め、剛性を確保するため後部を角断面とするなど、様々な工夫が凝らされています。

タイ市場での成功

タイでは、タイホンダカンパニー・リミテッドが「Wave」シリーズを製造・販売しています。2022年現在、「Wave 110i」と「Wave 125i」が主力モデルとして販売されており、長年にわたってタイの自動二輪車市場でベストセラーを維持しています。

1997年の「Wave 100」発売以来、様々な改良が加えられてきました。1999年には排気量を110ccに拡大した「Wave 110」、2001年にはディスクブレーキモデルが追加、2002年にはコスト削減を徹底した低価格モデル「Wave 100」が登場するなど、市場ニーズに合わせた戦略的な展開が行われています。2003年には電子制御燃料噴射装置（PGM-FI）搭載モデル「Wave 125i」を発表、燃費向上や環境性能の向上を実現しました。その後も、更なる燃費向上や機能追加、デザイン変更などが行われ、常に進化を続けています。

各国での展開と派生モデル

「Wave」シリーズは、タイ以外にも東南アジア、中南米、アフリカ、アジア、欧州など世界各国で製造・販売されています。各国市場のニーズや法規制に合わせ、エンジン排気量や装備などが変更された仕様のモデルが展開されています。

例えば、ベトナムでは「Wave Alpha」や「Wave RSX FI」が人気モデルとなっており、コストパフォーマンスの高さで知られています。フィリピンでは「Wave 110 Alpha」、「Wave 110」、「Wave 110R」などが販売されています。中国では、ホンダと新大洲本田摩托有限公司との合弁事業で「Wave」シリーズが生産・販売されています。また、インドネシアでは「Wave」をベースとした「Supra」や「Revo」といった派生モデルも展開されています。

さらに、ブラジルでは「Biz」、欧州では「ANF 125 Innova」、アルゼンチンでは「Wave 110S」などが販売されており、世界各地で「Wave」シリーズは人々の生活に密着した存在となっています。

技術革新と環境への配慮

「Wave」シリーズは、長年にわたる改良によって、燃費向上、環境性能向上、安全性の向上といった技術革新も進めてきました。PGM-FIの導入や、排出ガス規制への対応など、環境問題への配慮も積極的に行われています。

まとめ

「Wave」シリーズは、その高いコストパフォーマンス、信頼性、耐久性から、世界中で高い評価を獲得しています。長年培ってきた技術力と、市場ニーズへの柔軟な対応によって、これからも進化を続け、世界中の人々の生活を支える存在であり続けるでしょう。

参考資料

国沢光宏 (2019年5月11日). “110ccバイクが凄い！ 10万円を切るホンダ製ベトナムバイクがおすすめできるワケ”. AUTO MESSE WEB. 交通タイムス社. 2022年8月10日閲覧。
太田安治 (2019年5月22日). “厳しい環境で磨き抜かれたタフな走り！タイホンダ「WAVE125i CAST WHEEL」（2019年）を試乗インプレッション！”. webオートバイ. モーターマガジン社. 2022年8月7日閲覧。
大屋雄一 (2019年8月2日). “タイホンダ ウェーブ125i試乗インプレッション【スーパーカブの究極形。さらに魅力度アップ！】”. WEBヤングマシン. 内外出版社. 2022年8月7日閲覧。
SUPER CUB FANSITE. 本田技研工業. 2022年8月7日閲覧。
* スーパーカブ大全. WEB Mr.BIKE. 東京エディターズ. 2022年8月7日閲覧。

もう一度検索