ホンダ・シャトル

車両概要

シャトル（SHUTTLE）は、本田技研工業によって販売されていた5ナンバーサイズのステーションワゴンであり、特に趣味やレジャーを楽しむユーザーのニーズに応えるために開発されました。元々はフィットシャトルの後継モデルとして位置づけられていますが、このモデルはフィットという名称を使わず、独自の価値観を表現しています。シャトルは、基本のデザインをフィットと差別化するために、フロントマスクやインストゥルメントパネルに特別なデザインが施されています。また、ドアパネルやフロントフェンダーの一部は3代目フィットから流用されています。

2019年までのシャトルは、本田技研の埼玉製作所寄居工場で製造されていましたが、2019年モデルからは鈴鹿製作所に生産移管されました。

メカニズム

シャトルのハイブリッドシステムには、EV走行も可能な1モーターシステム「SPORT HYBRID i-DCD|SPORT_HYBRID_i-DCD」が搭載されています。このシステムは、2代目フィットハイブリッドやヴェゼルハイブリッドでも使用されており、優れた燃費性能を誇ります。具体的には、JC08モードで34.0km/Lを達成するハイブリッドタイプと、21.8km/Lのガソリンモデルがあります。

また、シャトルのラゲッジルームは大容量で、5名乗車時に570L、後席を倒すと最大で1,141Lに達します。最大荷室長は1,840mmとなっており、実用性が高い設計です。さらに、5ナンバーサイズのハイブリッドステーションワゴンとしては初めて4WDオプションも提供され、ビスカスカップリング式の4WDシステムが採用されています。

パーキングブレーキに関しては、フィットやグレイスのサイドレバー式から利便性を考慮したフットリリース式に変更され、操作性が向上しています。燃料タンクは通常は40Lですが、HYBRIDモデルのFF車は32Lに変更されています。

年表と改良履歴

シャトルは2015年5月15日に発売され、キャッチコピーは「では、美しい人生を。」でした。発売されたモデルは、基盤となるハイブリッド「HYBRID」やその派生モデル「HYBRID X」「HYBRID Z」など複数のグレードが用意されていました。特別仕様車「STYLE EDITION」が2015年12月に発売されたほか、その後も数回にわたり改良が行われていきました。2017年には安全運転支援システム「Honda SENSING」を全グレードに標準装備し、性能向上が図られました。

2019年にはマイナーモデルチェンジが行われ、外観や内装が一新されました。また、燃費性能が向上し、排出ガス基準もクリアするなど、環境性能も向上しました。2022年の8月末をもって生産が終了し、その後は流通在庫分のみの販売となったことで、ホンダのラインナップからステーションワゴンが姿を消すこととなりました。

車名の由来

車名の「シャトル」は、フィットシャトルと同様に「人と荷物を安全に、かつ先進の技術で運ぶ」というイメージが込められています。また、ホンダ独自の「SHUTTLE＝コンパクトステーションワゴン」という表現も反映されています。

このように、シャトルは多機能性とデザイン性を兼ね備えたモデルであり、また時代とともに進化していったことが特徴です。

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