ホンダ・ドリームCB400FOUR

ドリームCB400FOUR：伝説の4気筒400ccバイク

ホンダがかつて製造販売していたオートバイ、ドリームCB400FOURは、愛称「ヨンフォア」として広く知られる名車です。1974年に登場したこのモデルは、それまでの350ccクラスの4気筒車、ドリームCB350FOURをベースに、排気量アップとデザイン変更を行い、一躍人気を博しました。

カフェレーサーを思わせるスタイリッシュなデザイン

CB400FOURは、当時としては斬新なデザインを採用していました。メタリック塗装が主流だった時代にあって、シンプルなソリッドカラーとステッカーロゴを採用。軽量化とコスト削減を両立するため、集合タイプの4-1マフラー、フラットハンドル、そしてリンク式バックステップといった、カフェレーサースタイルを取り入れています。この洗練されたデザインは、多くのライダーを魅了しました。

高性能4気筒エンジンと6速ミッション

心臓部であるエンジンは、CB350FOURのCB350FE型エンジンをベースに、内径を拡大することで排気量を408ccにアップ。さらに、当時としては珍しい6速マニュアルトランスミッションを搭載し、スムーズで力強い走りを可能としています。この組み合わせは、ライディングの楽しさを格段に向上させました。

免許制度改正と排気量違いモデル

1975年の運転免許制度改正により、自動二輪車の免許区分に400cc以下の排気量限定の中型免許が新設されました。これにより、408ccのCB400FOURは限定解除免許が必要となり、市場での需要に影響を与えることになります。

そこでホンダは、国内市場向けに排気量を398ccに抑えたCB400FOUR-IとCB400FOUR-IIを新たに開発・販売します。CB400FOUR-Iは従来からのフラットハンドル仕様を、CB400FOUR-IIはアップハンドル仕様を採用。エンジンや車体構成の一部も変更され、中型免許で運転可能なモデルとしてラインナップに加わりました。これらモデルは、外観や仕様に細かな違いが見られます。タンクカラーやサイドカバーの色、ステップ位置、メーター類などに変更が加えられました。

生産終了と伝説化

コスト削減を目的とした2気筒エンジンのホークシリーズが登場したことにより、CB400FOURは1977年に生産を終了しました。海外向けにはその後も生産が続けられましたが、コストダウンのため、特徴的だったリンク式バックステップが廃止されるなど、変更が加えられています。

しかし、生産終了後、CB400FOURは中古車市場で高い人気を集めるようになります。特に、中型限定免許で運転可能な4気筒車という希少性から、中古車価格が高騰し、新車価格を上回るプレミアム車両となりました。その高い人気と希少性から、オートバイ雑誌等で特集されることも多く、現在でも多くのファンを魅了し続ける伝説的なモデルとなっています。

まとめ

ドリームCB400FOURは、そのスタイリッシュなデザインと高性能な4気筒エンジン、そして免許制度改正による排気量違いモデルなど、多くの魅力を兼ね備えたオートバイです。生産終了から年月が経った現在でも、多くのファンに愛され続ける伝説的名車と言えるでしょう。その人気は、中古車市場における高価格からも窺い知ることができます。免許制度と排気量の関係、そして生産終了後に高騰した背景など、様々な角度から見ていくことで、このモデルの魅力をより深く理解することができるでしょう。

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