ホンダ・パシフィックコーストとは？意味をやさしく解説

ホンダ・パシフィックコースト：快適性と実用性を両立したツアラー

1980年代後半、日本ではレーサーレプリカが全盛期を迎えていましたが、アメリカ合衆国ではオートバイは一部の特殊な人々の乗り物というイメージが定着していました。この状況を打破しようと、ホンダはアメリカ市場の活性化を目指し、従来とは異なる発想でオートバイの開発に着手しました。その結果生まれたのが、パシフィックコースト（PC800）です。

開発コンセプト：オートバイの楽しみを再発見

PC800の開発コンセプトは、かつてオートバイを楽しんだ人々に、その喜びを再び思い出してもらうことでした。そのため、単なる速さやスポーティさだけでなく、快適性と実用性を重視した設計がなされています。長距離ツーリングでも疲れにくい、そして普段使いにも便利な一台を目指したのです。

車両解説：快適な走りと充実の装備

1990年に発売されたPC800は、型式名RC34、排気量800ccの水冷4ストローク2気筒エンジンを搭載していました。このエンジンは、NV750用RC14E型をベースに改良を加えたRC34E型で、スムーズな出力特性と力強いトルクを両立していました。

車体デザインは、大型カウルから流れるような曲線的なフォルムが特徴です。大型シートの後部には、2人分のヘルメットを収納できるトランクが一体化されており、ツーリングの利便性を高めていました。また、低重心を考慮して燃料タンクはシート下部に配置されました。

さらに、PC800は数々の先進的な装備を搭載していました。ウインカーは、ハンドル切れ角、車速、距離を検知して自動的に消灯するオートキャンセル機構を採用。また、フロントウインカー内蔵式バックミラーは、万が一の衝突時でも脱落しにくく、地上への落下を防ぐ工夫がされていました。これらの機能は、快適で安全な走行に貢献しました。

生産と販売：北米市場への輸出と国内販売

PC800は主に北米市場向けに輸出されましたが、1990年11月21日には日本国内でも販売が開始されました。当初はヘイジーグレイメタリックのみの設定でしたが、1993年9月と1995年7月にマイナーチェンジを行い、車体色の変更が行われました。しかし、1995年7月のマイナーチェンジを最後に、200台限定で生産が終了しました。

PC800の遺産：快適性への追求

PC800は、レーサーレプリカ全盛期とは異なる、快適性と実用性を重視したオートバイとして、ホンダの歴史に名を刻みました。その革新的なデザインと充実の装備は、多くのライダーに快適なツーリングを提供しました。生産終了から年月が経った現在でも、PC800は根強い人気を誇り、多くの愛好家によって大切に維持・管理されています。その存在は、オートバイの多様性を示す重要な証左と言えるでしょう。

ホンダ・パシフィックコースト

ホンダ・パシフィックコースト：快適性と実用性を両立したツアラー

開発コンセプト：オートバイの楽しみを再発見

車両解説：快適な走りと充実の装備

生産と販売：北米市場への輸出と国内販売

PC800の遺産：快適性への追求

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